心のバリアフリー市民会議 第2回アドボ会
2001年5月17日(木) 午後7時〜9時30分
武蔵野市障害者総合センター・地下食堂
参加者 14人
ハード(Hard)とハート(Heart)の街づくり =一市民の立場から=
プレゼンテーション 田部井恒雄氏(世話人・ワークセンター大地 施設長)
プレゼンテーションの要旨
障害者はぜんざいに入れる一さじの塩のようなものだ。砂糖だけでは本当にうまい |
ぜんざいはできん。」 (田村一二:福祉の先駆者)
様々な課題を抱えた現在の人間社会を考えた時、「福祉社会」が、未来を切り開く鍵になると言われるようになってきました。心の豊かさを今ほど求められている時代はありません。
では、福祉社会とはどんな社会でしょうか。ひとことで言えば「いわゆる“健常者”も、お年寄りや障害のある人、子ども等、社会的に弱い人たちと“共に心豊かに生きていく”事が出来る社会」と言えるでしょう。社会の人たちが、障害のある人等のことを理解し、ちょっと変わった「個性的な人」として認めて、適切で暖かい手助けをしてくだされば、障害のある人と「ともに生きる」ことが出来ます。「自分」も含めて、いろいろな個性を認め合える社会って心が豊かになるのではないでしょうか。
(ワークセンター大地 ボランティアのしおり より)
「街づくり」の意味はここにあると思います。
「ちえおくれ(知的障害)の人達の幸せのための努力なしでは、明日の国家はあり得ない。アメリカの未来をひらく鍵は、じつにちえおくれの人達にすべての人々が関心を寄せることにある。」 |
(ジョン・F/ケネディー)
(1)ハード(Hard)とハート(Heart)の街づくり
@街とは何か:人が集まり生活する空間
A心豊かに生きていくことが出来る街の条件=街づくりの条件
・物理的条件(ハードウエア):
自然環境(水、空気、緑…)
都市環境(建物、道路、交通機関、ゴミ…)
→ユニバーサルデザイン、特別なニーズに対応したデザイン
・精神的条件(ハート): ←心のバリアフリー市民会議が担うもの
多様な価値観を認め合える環境
人間関係の豊かな環境(再構築)
適度な社会秩序が保たれている環境
→ユニバーサルな支援と特別なニーズへの支援
*ノーマライゼーションとインクルージョン:
共に生きる社会作りから障害を意識しない社会作りへ
(2)街づくり関連の施策・法律
@国:「バリアフリーのまちづくり活動事業」
「障害者の明るいくらし促進事業」←東京都は取組みなし
A東京都:「東京都福祉のまちづくり条例」←武蔵野市も取組んでいるが、ハードのみ。
B武蔵野市:「武蔵野市福祉環境整備指導要綱」←都の条例を実施。生活福祉課が担当しているが、ハードのみ。
「武蔵野市都市マスタープラン まちづくり会議」←市民参加型。
今まで,福祉関係者は参加していないようだが、参加歓迎とのこと。新プラン作成のための準備会議がはじまった。
(3)街づくりの実践例
@武蔵野市(VCM):アルク
A小平市:「だれもが使える商店街をめざして」(小平の福祉を進める会JOIN)
B川崎市
・ガイドブック「舞々」:川崎ボランティアセンターの取り組み
・親切なお店:NPO法人カワセミの実践
(4)武蔵野で実現したい街づくりって?
主たる討議項目
・ ハードのバリアフリーに対して心のバリアフリーはどう実現していったらいいのか?
・ 他の差別と同じく、障害者への差別はなかなかなくならない。
・ 障害のある人が、社会に「カミングアウト」することの意味。
・ 自閉症告知ステッカーについて。日米の「障害のアピール」への意識の違い。
・ 自閉症等の人の「まち」での行動は理解されにくいので、具体的な援助がきちんとされなくてはならない。
・ 障害児の遊び場作り、コミュニティセンターニュースでの情報提供等を行っている。一般のひとへ知らせていかなくてはいけない。
・ 「障害」や「障害のある人」が、世の中に「対して」もつ意味は?
・ 「障害は個性である」という表現は専門家からの発言としては重要で、意義深いものだが、当事者には、「個性」だけでは割り切れないものもある。
・ 障害のある人が働くことについて。
・ ユニバーサルデザインのもつ意味について。
・ 障害のある人は、刑事事件の加害者であるより被害者であることが多い、ということについて。
・ 混合教育が、一般の生徒にあたえる意味について。
・ 「心のバリアフリー発達段階説」(知る>理解>支持者)問題はどうやって段階をあげてゆくか?