∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
七生福祉園溺死事件を明らかにする会 通信
03.11.14 発行 02号
七生福祉園溺死事件を明らかにする会
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
皆様こんにちは。「七生福祉園溺死事件を明らかにする会」です。
大変遅くなりましたが、東京の文京シビックセンターで10月31日に行なわれました「第1回報告集会〜事件の本質を明らかにする〜」についてお知らせします。
参加者は68名でした。障害をもつ当事者、支援者、障害児・者の親、マスコミ関係者、施設職員の方、その他、幅広い立場からのご参加をいただきました。
★第1部の「基調報告」をしました。
1.事務局より事件の概要と会発足の経過説明をしました。
2.訴訟への経緯と訴訟の争点として大石剛一郎弁護士、黒嵜隆両弁護士から説明をしていただきました。
問題点は…
?てんかんの専門医に聞いたら、進さんの眼球上転はてんかんではなくて向精神薬の副作用によるものだと考えられる点。
?進さんが1時間以上もお風呂から出てこないのに職員が見守りに行こうということがどうしてなかったのかという点。
?園側はケアの足りなさではなく、原因を障害のせいにして予見できなかったという点。
訴訟の争点は…
この裁判は損害賠償請求訴訟であること。
進さんが亡くならないために七生福祉園はなにをすべきだったか。
園や事業団がきちんと体制をとっていなかった、やるべきことをやらなかったという点での過失があったかどうかが争点になる。
まず入所施設では利用者に対する安全配慮義務が間違いなくある。
では、具体的にその安全配慮義務として何をすべきだったか。
入浴は一般的に非常に危険性が高い。
園にどの程度まで注意義務があるかそこがこの事件の一番の争点。
もう1つAIUという保険会社に対する損害賠償請求。
保険会社はてんかんによる病死という場合には保険金は支払わないと、ご両親に回答している。
こちら側はこれは事故死であるという立場で保険金を請求している。
3.ご両親からの決意表明
進さんの母親の陽子さんより、
「こうやって集まっていただいて、この子のみなさんに対する力はすごいなとわかりました。私はいつもかばんに入れています。
この子は私の生きる先生だった。この子が死んで私はどうしたらいいかわからなくなっています。みなさん力を貸してくださいお願いします。」
と闘いへの固い意志を話されました。
4.呼びかけ人からは、
石田さん(ピープルファースト静岡)
静岡でも金谷町事件と言うのが起きています。大阪ではサングループ事件、北海道でも札幌育成園事件、こんなに事件がたくさんあっていいのか。
山田さん(ピープルファースト大阪)
2度とこういう事件が起こらないようがんばっていきましょう。
宮田さん(ピープルファースト大阪)
最初にこの事件のことを聞いてびっくりしました。
増田さん(千葉県)
結果的に言うと日本の施設でやっていることは全部密室での指導であって、こういったことを1つ1つ明らかにしていきたいと思います。
梅原さん(ピープルファースト大阪)
大阪で考えました。どうしてこういう事件がおきるのか。
介護者が付いていたら大丈夫やと思うのに。
だから僕は職員が悪いと思います。
職員がしっかりしてたらこういう事件は起こりません。
だから職員はもっとしっかりして下さい。
などと、当事者の立場から、仲間を奪われた怒りを強い口調でアピールされました。
★第2部では<事件の本質を追及する>というテーマでシンポジウムを行ないました。
シンポジスとは以下の通りです。
松友了(全日本手をつなぐ育成会)
市川和彦(茅ヶ崎リハビリテーション専門学校)
小田島栄一(ピープルファースト東久留米・事務局)
末永弘(自立生活センターグッドライフ)
コーディネーター 寺本晃久(ピープルファースト東京)
・小田島氏は…、
「やっぱり施設はこういうでっかい事件があります。七生も僕がいたころは無かったんだけど、僕が出てから事件がいっぱい起きています。
親が施設に入れちゃうからこういうことが起きるんじゃないかと僕は思います。
こんなことが施設でたくさん起きるなら僕は非常につらい立場です。どうして親は施設に入れるのか、親の会が施設に入れてる。」
と、七生福祉園への怒り、また、そういった入所施設に入れらてしまう事に対する強い怒りをシンポジウムの出だしに話しました。
・末永氏は…、
「七生福祉園では4年間で3人もの利用者が亡くなっているが、いずれの件についてもきちんとした調査もせずに「過失はなかった」ということを言う。
その他の事件についてもとにかく責任を回避するという姿勢だけが一貫してある。
健康管理という理由でビールやコーヒーは制限する。
しかしほんとうに必要な安全管理は全くやっていない。
七生福祉園は、職員も課長園長も誰も責任を取らない。
だから又事故が起きる。
今回責任を明らかにしないと又次の犠牲者が出る可能性がある。」
などと、その他にも七生福祉園の様々な事件・事故等を取り上げ、園の体質そのものに問題があることを示されました。
・松友氏は…、
「入所施設はもはや必要悪としての位置づけしかない。
いくらそれぞれが個人的な事情はあったとしてもです。かつては「収容施設」と呼んでいた。3年間で通過できると言われてそれに期待した。
しかし実際にはそうではなかった。それは間違いだった。
これからは明確な目標を持って収容施設を減らしていく。
だからその1人として私も息子を出すことにした。
施設が良いか悪いか以前に親が期待しているようなものではないんです。」
などと、小田島の質問や会場からの声に対し、親の立場として、自己批判も含め、入所施設の増加の歴史とその誤りについて話をされました。
・市川氏は、いくつか率直な疑問点を取り上げ、さらに…、
「?1つの事件・事故が起きたら徹底的に分析、事例検討をやってリスクマネジメントをすること。
?鹿児島のみひかり園という施設で、園長が暴力で逮捕された事件の第2回公判が10月20日にあって、そこの施設で働いていた現場の職員が証言に立ちました。
これは1つの大きなきっかけになると思います。
施設の中を一番見れるのは職員、それと利用者です。
これからこういう職員がでてくることを期待しています。」
と、これからの施設に必要な部分を具体的に提案されました。
・最後に小田島氏は、
「東久留米から名張の施設に入っている人に会いに行って、
本人は出たいって言って、施設は出してもいいって言ってもお兄さんが反対していて、半年たっても出てこれない。
今もめていますが、何とか出していきたいと思っています。」
とシンポジウムを締めくくりました。
また、会場の方からも以下のような声が上がりました。
・「僕は地域支援をずっとやってきましたけど、僕は施設なんか無いほうがいいと思っています。施設は解体したほうがいいと思っています。」
・「東京都や育成会が運営している施設はどれぐらいありますか?」
・「ピープルファーストのスローガンは3つあります。?少し助けてくれれば何でもできる。?どんな障害があっても人間だ。?地域で暮らそう」
などと、当事者の強い意志、親の会や入所施設に対する怒りなどが次々とでました。
★「七生福祉園溺死事件を明らかにする会」を立ち上げた目的★
?七生福祉園の責任を明らかにしていくこと。
?七生の事件をきっかけにして施設はけっして安全な場所ではないということを多くの人に知ってもらうこと。
?入所施設にはみんな本人の希望ではなく親の希望で入っている。だから親にも入所施設の問題を考えてもらうこと。
?今後入所施設に入れられる当事者を1人でも増やさないようにしていくこと。
内容がとても報告が長くなってしまい、申し訳ありません。
ただ、2時間という短い時間でしたが、集会に集まった方々皆様が、それそれの立場でこの七生福祉園溺死事件を追及することができた内容になりました。
このメールマガジンでは、一人でも多くの方に事件の事を伝えていくことを目的にしております。
また、七生福祉園の事件に関する様々な情報のご提供も歓迎します。
よろしくお願いします。
全国で当事者運動を展開している皆さん、
地域での活動を実践している皆さん、
そして、全国の当事者と暮らしているご家族の皆さん、
命を奪う入所施設、絶対に見逃すわけにはいきません。
共に闘うこと、支援することをお願いします!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
七生福祉園溺死事件を明らかにする会
〒203-0014
東京都東久留米市東本町14-7 滝ビル1F
グッドライフ内
TEL 0424-77-8384
FAX 0424-77-8394
Mail [email protected]
Hp
http://www.eft.gr.jp/nanaojiken-kai/
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇