∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
   七生福祉園溺死事件を明らかにする会 通信
       04.10.23 発行 14号
      七生福祉園溺死事件を明らかにする会

 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

皆様こんにちは。「七生福祉園溺死事件を明らかにする会」です。

9月24日、10月13日、10月21日と3回にわたり、東京都社会福祉事業団とAIU保険会社との和解の話し合いを行ってきました。
その報告をさせていただきます。
 
第1回目の話し合い(9月24日)の段階で、被告東京都社会福祉事業団に関しては、和解解決金として、300万円の支払いを提示してきました。
被告AIUに関しては、和解解決金は支払えないとのことでした。
 
第2回目の和解の話し合いでは、原告は以下の事を要求しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 事業団 解決金として500万円
2 AIU 解決金として50万円
3 事業団には上記のほか、以下のことを求める。
  知的障害者入所施設として、二度とこのような痛ましい事件を起こさない
 ため、また、利用者個々別々に必要な安全を確保するために、
(1)知的障害者・発達障害者の生活支援においては、通常の常識では予測できない事態が発生しうることをふまえて、
入浴事故防止マニュアルをあらためて作成すること。

(2)施設での事故等が起きた場合の「ガイドライン」を作成すること
(被害を最小限に留めるためのもの、及び事故報告責任についても定めたもの)。

(3)当事者団体も含めた(七生福祉園を専門にする)オンブズマンをあらためて設
置すること(社会福祉施設として、
一般的に考えても、社会に対し内部状況に関する一定の説明責任があるところ、内部の状況に関して保護者(遺族)及び外部組織・社会に透明性を図るため)。

(4)事故事例を扱った対策研修等を行なうこと(過去5年で3人もの死亡事故を起
こしている)。

(5)一年に一度、佐藤進さんの命日に法要のため弔問を行なうこと(本件事故が忘れ去られたり、風化させられないために)。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
被告AIUは、2回目の話し合いでも和解解決金は支払わないと言いました。
 
 
裁判所からは、2回目の和解の話し合いを踏まえて10月14日に事業団との話し合いの中で、以下のような「和解条項案」が出されました。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
和解条項案
1 被告は、佐藤進氏が被告運営の「七生福祉園」の施設内での入浴中の溺水が原因で逝去されたことに深い哀悼の意を表するとともに、
命の尊さを再認識し、本件を教訓として、今後、施設内で二度とこのような痛ましい事故が起こらないようにするため、
また、施設の利用者が個人の尊厳を保持しつつ心身ともに健やかに安心して生活を送り、
又はその有する能力に応じて自立した日常生活を地域社会において営むことができるようにするため、より一層の安全対策と生活支援を行なう事を誓約する。
2 被告は、原告らに対し、本件和解解決金として金300万円の支払義務のあることを認める。
3 被告は、原告らに対し、前項の金員を、平成16年○○月○○日限り、原告ら代理人の下記の銀行口座に振り込んで支払う。
 

金融機関名 株式会社○○銀行
支店名 ○○支店
預金種別 普通預金
口座名義 ○○○○
口座番号 ○○○○○○○
4 原告らは、その余の請求を放棄する。
5 原告ら及び被告は、原告らと被告との間には、本和解条項に定めるほか、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。
6 訴訟費用は各自の負担とする。
以上
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
原告は上記裁判所の和解条項では、和解することができないため、11月18日(木)に判決することになりました。     


☆次回11月18日(木)、注目の判決!!☆
次回11月18日(木)東京地裁626号法廷で、注目の判決が言い渡されます。
本事件に関心のある方は、ぜひ傍聴に来てください!!
知的障害者入所施設内にて、溺水死した場合、法的責任はどこまで問われているのかが、はっきりします。
入所している利用者の人たちは、どこまで安全な生活を法的に保障さているのか、
施設職員には、どこまで利用者の安全確保を行わなければならないのかが問われています。
この国には13万人もの知的障害者が入所施設での生活を余儀なくされています。
つまり、この判決は、13万人の人々の生命の安全性が問われていると言っても過言ではないでしょう。
私たちは、亡くなった佐藤進さんのためにも、全国の入所施設で生活をしている障害のある人々のためにもこの裁判を最後まで闘っていきたいと思います。

全国で当事者運動を展開している皆さん、
地域での活動を実践している皆さん、
そして、全国の当事者と暮らしているご家族の皆さん、
命を奪う入所施設、絶対に見逃すわけにはいきません。
共に闘うこと、支援することをお願いします!!

このメールマガジンでは、一人でも多くの方に事件の事を伝えていくことを目的にしております。
その他、詳しい資料など必要な方は、当会事務局までご連絡下さい。

 全国の入所施設で酷い事件が起きています。
 私達は七生福祉園や入所施設に関する様々な事件の情報のご提供を必要としています。
 ご協力、よろしくお願い致します。

 その他、この事件に関する情報などありましたら、当会事務局までご連絡下さい。

 みな様のご協力をお願いします!!

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 七生福祉園溺死事件を明らかにする会
 〒203-0014
 東京都東久留米市東本町14-7 滝ビル1F
 グッドライフ内
 TEL 0424-77-8384
 FAX 0424-77-8394
 Mail   [email protected]
 Hp     http://www.eft.gr.jp/nanaojiken-kai/
 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 メールマガジンを転載して運動を拡げて頂く事は、大歓迎ですが、必要な場合はご一報頂ければ幸いです。