∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
七生福祉園溺死事件を明らかにする会 通信
05.2.24 発行 21号
七生福祉園溺死事件を明らかにする会
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
七生福祉園溺死事件を明らかにする会です。
昨日2月23日、東京都社会福祉事業団と和解解決、AIUインシュアランスカンパニーに対しては、控訴取り下げをすることになりました。
2003年1月6日、佐藤進さんが、七生福祉園内の浴槽で溺死されてから約2年、
人一人の尊い命があまりにも軽んじられ、闇に葬りさられている現実を変えていく為、
また入所施設という閉鎖された場所で行なわれている支援の実態を明らかにする為、
そして、そのことを一人でも多くの方に知っていただく為に、これまで裁判闘争という形で闘ってきました。
ご存知の通り、一審での事実誤認に基づく不当判決に対し、あくまで闘っていく決意で2月14日の控訴審に臨みましたが、
東京高等裁判所は、事実審理を全く行なわないまま、和解か判決かを迫ってきました。
また、和解条文についても、一回きりの和解法定までに双方の合意が得られれば、という原告の訴えが全く取り入れられないものでした。
最高裁に上告しても、現行の司法制度の中では、事実審理される見通しがないことから、今回和解解決をする決断をしました。
和解条項(口頭確認)
1、被控訴人社会福祉法人東京都社会福祉事業団は、佐藤進氏が被控訴人事業団運営の「七生福祉園」の施設内の浴室で溺死されたことに深い哀悼の意を表する。
2、被控訴人事業団は、平成17年3月15日限り、第1項の和解金を、控訴人ら訴訟代理人の指定する銀行預金口座に振込送金して支払う。
3、控訴人らは、被控訴人事業団に対するその余の請求を放棄する。4,控訴人らは、被控訴人AIUインシュアランスカンパニーに対する本件控訴を取り下げる。
5、控訴人らと被控訴人らは、本和解条項に定めほか、他になんらの債権債務のないことを相互に確認する。
6、訴訟費用は、第1,2審とも各自の負担とする。
進さんが亡くなって2年、これで裁判闘争は一旦幕を閉じる形となります。
2月23日は、進さんの誕生日であり、納骨された日でもありました。
佐藤進さんのお父さんは和解を終えた後、「ここまで、闘ってこれたのは全国の皆さんの応援のおかげ。
応援して頂いたのに残念でたまりません。心残りで、残念です。
3年すぎて今更哀悼の意を出してもしょうがない。一言でも謝罪してもらいたかった。
民事は誰のための裁判なのか。これから何かあった時は応援していきたい。」と話されていました。
佐藤進さんのお母さんが入院されているため、お一人で和解法廷に臨まれた、お父さんの、無念さでいっぱいの表情を前に、当会も力不足を改めて痛感しました。
佐藤進さんの、一人の人間としてあたりまえの権利を勝ち取る事ができなかったことについては、反省しなければならない点が多くあります。
今後、ご両親・弁護団と交えて総括し、改めてご報告させていただきたいと思います。
結局、本裁判において、私たちは七生福祉園に佐藤進さんの死に対しての責任追及することはできませんでした。
しかし、残された遺族が「泣き寝入り」することなく、強い憤りを裁判という形で闘ったことはとても大きな意義があったと思います。
また、本事件が新聞やインターネットで取り上げられたことで、入所施設の実態をはじめて知った方もいらっしゃったと思います。
今後も私たちは、障害のある当事者が、虐待にあった時、権利を侵された時、これからも徹底的にそれを見逃さず、許すことなく、闘っていきます。
当会代表 小田島栄一の言葉も掲載させて頂きます。
『「ななおのこと さいばんのこと」
七生福祉園溺死事件を明らかにする会 代表 小田島栄一
なんで ころしていくのか。
ぼくは このさいばんは かつとおもったのに まけたのが くやしいです。
なんで さいばんしょのひとは ななおについているみたいな かんがえなのか。
ぼくは ななおに いたとき となりに すすむくんがいたのは いまでも よくわかります。
ななおふくしえんは それでも わるくないなんていって さいごまで いってきた。
さいばんしょも かんがえが おなじになるなんて へんだとおもいます。
みなさんも へんだとおもいませんか。
おかねで 3000000円でかえていくなんて おかしいではないかと おもいました。
ぼくたちは おかねじゃないよ。
いのちのこと どうおもっているのか。
さいばんしょに いいたいです。
すすむくんの おかあさんとか おとうさんは おこっていても いいとおもいます。
やっぱり こどもが なくなっているのだから おこるのも あたりまえではないかと おもいます。
さいばんしょは どこもみてなくて わかいになって きまりました。
ざんねんであります。
ぼくたちも ちからなかったからかもと たりなかったのか ざんねんでなりません。
こんどあったら みんなで たたかっていきたいと おもいます。
小田島栄一』
最後になりましたが、裁判の傍聴に来て頂いた方、集会に来て頂いた方、各地で応援して下さった方、カンパして下さった方、ありがとうございました。
今後も、私たちはさまざまな事件や権利侵害と闘っていきたいと思います。
今後もご支援、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
全国で当事者運動を展開している皆さん、
地域での活動を実践している皆さん、
そして、全国の当事者と暮らしているご家族の皆さん、
命を奪う入所施設、絶対に見逃すわけにはいきません。
共に闘うこと、支援することをお願いします!!
このメールマガジンでは、一人でも多くの方に事件の事を伝えていくことを目的にしております。
その他、詳しい資料など必要な方は、当会事務局までご連絡下さい。
全国の入所施設で酷い事件が起きています。
私達は七生福祉園や入所施設に関する様々な事件の情報のご提供を必要としています。
ご協力、よろしくお願い致します。
その他、この事件に関する情報などありましたら、当会事務局までご連絡下さい。
みな様のご協力をお願いします!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
七生福祉園溺死事件を明らかにする会
〒203-0014
東京都東久留米市東本町14-7 滝ビル1F
グッドライフ内
TEL 0424-77-8384
FAX 0424-77-8394
Mail
[email protected]
Hp
http://www.eft.gr.jp/nanaojiken-kai/
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
メールマガジンを転載して運動を拡げて頂く事は、大歓迎ですが、必要な場合はご一報頂ければ幸いです。