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重度訪問介護を使わせて〜 その5 =たこの木通信 243号= 寺本晃久 ■自立支援給付費のインターネット請求が10月から始まった。 私も8月の終わりからあれこれと準備してきたが、数々の原因不明のトラブルにあい、10月に入ってようやくソフトが使えるようになり、結局間際までかかってしまった。全体としての派遣時間は多い方ではないのに、インターネット請求に費やした時間と労力と費用はばかにならない。専門の事務員など雇う余裕はないので、たいへんだった。結局、今回に限らず、この3年ほど毎年請求事務の方法がコロコロ変わり、振り回されてきている(何度も言うが、こうしたシャドウワークや、直接の支援以外にかかっている経費は全国でみるとかなりの損失がある(というか関連産業がもうけている)と思う) しかし唯一?重度訪問介護は、今回のインターネット請求によって事務作業がかなり楽になった。時間をうちこめば、「日中」に何時間で「夜間」は何時間使ったというのが自動で計算されて出てくる。すごい。 ■民主党から障害者自立支援法の改正案が出されました。案の主旨は次の2点。 @応益負担つまり利用した時間や日数に応じて利用者負担があがっていく今のしくみから、支援費の時のように応能 負担に戻すこと。 A事業所(施設)に対する報酬を上げること。自立支援法以降、通所・入所の施設は日割りベースの単価設定になっ たが、以前のような月割りに戻す。 けれども自己負担については「経過措置」の扱いではあるが今年に入って大幅に軽減されて、応能負担の色合いが増している。自己負担をとることの問題は、単に金額が多いとか少ないといった問題に限らない。また、施設への報酬を月割りに戻すことがよいわけではない。第一、居宅介護は最初から日割りどころか時間割だ。月か日かではなく、単価を上げることで解決できる部分はある。 議論が自己負担や事業所への報酬だけに集中して、自己負担がなくなれば問題が解決するかのようにとられてはいけない。自立支援法が、「自立支援」「地域生活」というなら、それを支え実現していくための中身の議論をしていく必要がある。 私がこれまで書いてきた、重度訪問介護へ参入することのメリットをまとめると、次のようなことがあるだろう。 ・長時間滞在型の支援類型であること(集団生活が基本となっている現状から、個別の自立生活を基本とすることへ) ・ヘルパーの資格要件の緩和と共通化(人材確保がしやすく、多様な支援の関与が可能になる) ・事務負担の軽減(役所および事業所の事務量が減ることによって、具体的な日々の支援を厚くできる) ・障害種別を超えた共闘と相互理解・継承 けれども重度訪問介護の対象拡大は、支援を得るためのひとつの、最低限の制度的な枠組みの一歩でしかない。あたりまえですが、単に介助者(の人数)がいれば事足りるわけではない。その解決しないところがどうあるべきかをもっと考えていく必要がある。 |
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