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     秋田フォーラムでの権利擁護WS報告           <荒木大輔>


 さて、去る10月7日(日)、第2回のJIL版ナンシーWSが開催されました。全国障害者市民フォーラムin秋田、その日は秋風が気持ちよく吹く、晴れた日曜日でした。 いや〜本当にいい天気でした。

  
「秋田から始まる障害者の権利擁護」

これがJILの人権擁護委員会が今回の秋田WSにつけたタイトルでした。前回長沼で行われたプレ・ワークショップを経て、今回が本格スタートのJIL版ナンシーWS。会場には障害を持つ人、介助者、ボランティアのハズが参加者になってしまった現地のスタッフなどなど、様々な立場の人が集まりました。  様々な立場の人の参加… シカゴで何度もナンシーが言っていた言葉が、思い出されました。地元秋田から障害を持った人の参加がなかったのは残念でしたが、それでも会場では、東さん、絹江さん、佐野さんらメインのインストラクターの話しに、ぐぐっとひきこまれます。WSの後半には、参加者の障害を持つ人が自分の経験を語り、それを中心にまた話しが展開するという場面もありました。

この権利擁護WSは、障害を持つ人が中心となり進めることが、やはり何より重要なんだ、と肌で感じました。

今思い返しても、僕が一番記憶に残っているのはそのシーンです。会場の前方にはインストラクターがいて、その後ろの壁にはOHPが映しだされています。そしてインストラクターを中心に扇状に参加者が座っています。WSもそろそろ終わりに近づいた頃に、上のような展開があったのでした。

  
さてさて、実際のWSはだいたい次のような流れで進行していきました。
ステップ1:わたし達の権利と虐待 (東さん)
ステップ2:なぜ、立ち向かえないの? (絹江さん)
ステップ3:こうすれば立ち向かえるよ (佐野さん)
ステップ4:さぁ、やってみよう 自分の力を信じて! (絹江さん)

WSは、各インストラクターのトークと、OHP、そしてサブのインストラクターをくわえたロールプレイを中心にして進行していきました。単に言葉による一方通行の講義ではなく、積極的にフロアに問いかけたり、目の前でロールプレイをするなどして、フロアとの一体感を大事にしていました。
先ほども言ったように、地元秋田からの参加者が殆どいらっしゃらなくて残念だったのですが。でも、当日突然参加すること人なった地元のボランティア! これはよかったなぁ〜 って思いました。 
彼らの地域の中で、彼らの生活の中で、このWSが伝えたかった事の種が発芽するのを期待します。僕が担当したロールプレイのグループで、実際にボランティアさんは「目からウロコ」状態でした。
「そうよね… 相談してもあんな言い方されたら、主張する気力が萎えちゃうわよね。 でも仲間がいれば本当にこころ強いわよね…」

ボランティアの人たちがこんなコメントを残したのは、やはりそれまでのWSのメインのイントラ、東さん、絹江さん、佐野さんが、各ステップの内容を丁寧に(時には大胆に)フロアに伝えていったからだ、と思います。

東さんは、WSに通底している権利擁護の理念を、いつも丁寧に、わかりやすく、優しく伝えていらっしゃいました。
絹江さんは、その理念を経験に結び付けて、「権利擁護」のイメージを豊かにして下さいました。
佐野さんは、理念とイメージをぼんやりと持ち始めたフロアの人たちが、「次に何をすべきなのか」、「何をすることが権利擁護なのか」と具体的な一歩を踏み出すゴーサインを出してくださいました。
そして村山さんは、本当に積極的に、このWSの中でピアカウンセリングを行ってられました。その姿勢に、胸が熱くなりました。

今回の秋田WSは、相当の手応えをフロアから頂きました。これがさらに全国に広まっていくことを期待して、以上を報告とさせていただきます。