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Enough For Today?
オリエンタルランドの件での私のML投稿(2000年4月4日付)

岡部@イナッフ・フォア・トウデイ?です。

いってきましたぜ、東京ディズニーランド!
使いました、「ゲストアシスタンスカード」(日本版のスペシャルアシスタンスパスの正式名称)

詳細や画像は、ちょっと猶予いただいて、HPで報告しますが、今日は速報まで・・・

利用申請は、入場ゲート入ってすぐ左のメインストリートハウスの窓口で。特に、愛の手帳等の提示はもとめられない申告制です。(ただし、名前、住所、病名、症状等の記載は求められます)所要時間約5分。迅速です。

(これは、いいですね!アメリカのディズニーランドと同じで、性善説?です。)

アシスト受けたい内容は?ときかれたので、「自閉症で、長時間待てない場合がある。状況により、列をならぶことへの配慮がほしい」と回答。さらに、「どのくらい待てますか」の問いかけあり、「状況により、30分から10分ぐらいの変動がある」とこたえたところ、緑色の線が入った専用カードがあって、そこの「アシスタンス内容」の欄に、「専用の窓口からご案内してください」というスタンプ(もできていた)を押し、さらに、手書きで、「状況により待てないこともあるので、その際は待ち時間(0分)にて対応願います」と添え書きしてくれました。

(ここも大変リーズナブルで、結構でした。)

同行が、いとこ等もいて、総勢5人だったので、「人数多いので、迷惑かかる場合は、本人介助以外は、別に入場も考えるが、どうしたらいいか」と問いかけ、答えは、「アトラクションの内容や状態にもよるので、依頼時にきいてください。でも、原則は、全員で入場していただいてかまいません。」とのこと。

(ここは、ちょっと気になってたんです、実は。でも、納得できる説明でしたね。気が楽になりました。)

ゲート周辺の係のひとに何人か聞きましたが、残念ながらこのカードのこと知ってるひとはおらず、でも、メインストリートハウスまでは、親切に案内してくれました。窓口の人の説明では、まだ、試験導入で、本番導入は、6月ごろかな、とのこと。

(まだ、スタッフの理解は十分でないようです。また、導入に対する内容も、事前の説明とは食い違ってる・・でも、みな感じはよかったし、前倒し実施という前向き対応の故であるなら、許せる範囲です。)

実際の使用は、アトラクションの列の周辺の係員らしきひとに「アシストお願いします」と声かけて、カードみせるという形で行ってみました。基本的には、ほぼ全員、内容は理解しなくても「なにかする」という姿勢で臨んでくれました。障害の内容等を再説明させられることもなく、カードにしたことの意義もばっちり。でも、半分ぐらいの人は、対応の仕方を知らなくて、上司らしきひとに相談にいったりして時間かかりました。

(ここらへんは、導入すぐのせいか、まだまだですね。でも、ひとりの係員には、「この制度はじめたばかりなんです。初めて使っていただいて嬉しいです」っていわれて、思わずうっときちゃいました。なにせ、いままでの苦労が大きかったものですから(なんど係員から、周りのひとから冷たい目でみられたことか)

というわけで、基本的にはOKでした。
でも、2つ大きな問題が!

ひとつは、制度の問題。

なぜか、アシストが、「アシスト申告してから本来列で並ぶべき時間を経過したら入れてあげる」というマニュアルになってるらしいこと。(これは、多分アメリカでは違うとおもうんですが・・)

意味わかりますか?アトラクションの列が、「60分まち」なら、いまから60分どこかで時間つぶしなさい、それでまたきたら入れてあげるよということです。
「列で待てない」のだから並ぶのは免除するが、時間短縮はしないよ、という考え方と推測されます。

たいていの係員のひとは、これを知らないか、知っていても、子供の様子みてすぐ入れてくれました。でも、ひとり、頭の固い人が・・・頑としてだめというのです。
しかも、「優待パスではないのですからね」なんて言われて結構感じ悪かった・・でも、努力はしてみました。なぜいったんついた列からはなれなくてはならないのか理解できなくて(だから障害なんだけど)泣き喚く愚息を引き剥がして、なんとか
60分もたせようと・・・でも、列に待てないってことは、当然、ぶらぶらして60分潰すことも困難なんですよね・・大変でした。しかも、最悪なのは、やっと時間たってさあ、乗せてもらおうと戻ったら、愚息が、ゲートまで近づくのを拒否するのです。
どうも、さっきの体験がトラウマになって、ゲートに近づけなくなってしまったらしい・・もしかしたら、もう一生、このアトラクション(スプラッシュマウンテンでしたが)に乗れなくなってしまうかもしれない・・(自閉症のこと知ってる人なら、大げさでないことわかると思います) とってもかわいそうなことしてしまいました。

制度のこの部分は、テスト期間のうちに再考してほしいです。
おそらく、障害のことをあまり知らないひとが、頭で考えて、他の観客とのフェアさとかを理屈で割り切ろうとしたからとおもいますが・・・
これは、かえって、「待てない障害」もつ子を苦しめることになります。この件わかっただけでも、今回、「モニター」して良かったです。(愚息にはかわいそうなことをしましたが)早速、意見させていただこうと思います。

もうひとつの問題は、こちら側の問題。いったんカードでもって、ほとんど待たすに入れた愚息は、もう待たずに入れると思い込んでしまったようです。待とうとするどころか、やみくもにアトラクションに突進してはいろうとします。
当初の考えでは、待てるときは待とう、待てないときのみ使おう、と思っていたのですが、現実には、すくなくともうちの愚息の場合は不可能でした。全部使うか、まったく使わないか。どっちかしかないようです。(全ての自閉症児がそうであるとはもちろん思いません)
恥ずかしながら、こっちのほうは、あたしの頭でっかちのバランス感覚が、NOっていわれちゃいました。子供の教育?考えると悩ましくなってしまいます。

この2つの問題は悩ましいですが、ひとつのヒントがありました。

それは、園内の身体障害のひととおぼしき車椅子のひとたち。このひとたちが、実にたくさんいるんですね!今回改めて気が付きましたが。
そのひとたちは、自然に、楽しそうに、当然のごとく、全てのアトラクションに優先して乗っている様子でした。(事務所に確認したわけではないですが)

本来、身体障害のひとは、物理的バリアーへの対処がちゃんとあれば、精神的には列にならぶことが可能なひとがおおいと思います。でも優先していれてもらってる。誰も不自然とは思わない。
それが悪いというのではなくて、逆で、身体が不自由な人には、自然に感じられるいたわりと配慮の気持ちが、「見えない障害」のひとたちにはまだまだ自然には感じられないのではないだろうか、
そして、それは、オリエンタルランドのような比較的先進的な障害あるひとへの配慮をもった施設関係者や、そればかりか、われわれ親すらもが、まだまだ無意識で逃れられないバリアーなのかも、ということに。どこかで、「本人の意思で、教育で、しつけでなんとかなること」と思っていないだろうか・・・反省です。

だから、結論はあきらかですね、「心のバリアフリー」を標榜するひとりとしては。だいたい、カードあっても付き添いは今回もくたくたです。年にそう何回も来れるものじゃありません。
全然並ばずに乗りまくったとしても、乗れる回数は知れてます。だいたい、耐えられる合計時間が知れてます。

だったら・・・いいじゃないですか、こころおきなく乗らせてあげても。日常では、他の人に押しのけられることはあっても逆はなく、いつも割を食ってる彼らです。ここは夢の国、ディズニーランドなんだから、ここだけは、たまには、おまえが王様の国があって、それをみんなが祝福してくれてもいいんじゃないでしょうか、たとえそれが、12時のシンデレラの運命であっても。

これは、親のおセンチか、エゴか?みなさんの意見も聞きたいな!

でも、あたしは決めました。
これからは年にそう何回もディズニーランドには連れてかないけど、つれてったら、制度がどうであろうとカードを存分に使って好きなだけ優待させてあげる、って。
待てるときは待たせます、なんてかっこつけはもうしません。だめという係員がいたら脅しちゃいます。

だから、ディズニーランドのひとも、観客もさ、あたしたちだけじゃなく、そういうひと見ても、「制度悪用してる」とか思わないでね。身体障害のひと見てるような暖かい目でみてね。さらっと書きましたが、優先ではいるときの付き添いのほうは、他の観客の視線が、とても痛いです。(愚息はわかっとらんからなんにも感じないけど)見て優先の理由わかんないですからね、無理ないけど。もし、自分だけだったら、(声大にしていいますが)絶・対・に・いやです、こんなの使うの。今回でも、気分的に、ものすごく疲れました。だから、悪用なんてしないとおもいますよ・・ひとえに子供思う気持ちのみでしか使えないです、少なくともあたしには。

うーん、速報と思ったが、めちゃ長くなってしまった!ごめんなさい。


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