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Enough For Today?

2000年4月12日 オリエンタルランドへの手紙

株式会社オリエンタルランド運営部ゲストリレーション
マネージャー ** ** 様

 拝啓

 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

先日は、「ゲスト・アシスタンス・カード」の導入が早まったとのお電話をご丁寧にいただき、大変ありがとうございました。

早速、7才になる障害児(自閉症)含む家族で、4月3日に東京ディズニーランドに行き、できたてほやほや(でも、シリアルナンバーは、もう12番目でしたね・・きっと、待ち望んでた人が多かったんですね!)のカードを利用させていただきました。

まずは、大変素晴らしい先進的制度を、しかも、速やかに導入していただいて、ありがとうございます。そして、オリエンタルランド及びこの導入に関わった関係者の方々の勇気と先進性に対し、まずは、貴施設のファンとして、また、自閉症という障害をもつ7才の息子を持つ親として、心より敬意と感謝の意を表したいと思います。

もとより、バリアフリーと障害をもったひとたちへの対応については、日本の他の施設からは数段抜きんでた位置にあった東京ディズニーランドですが、今回、施設面でのバリアフリーを超えて、対応面でのバリアフリー、すなわち、「心のバリアフリー」の制度として、ゲスト・アシスタンス・カードを制度化されたことについては、利用当事者の利便性はもとより、自閉症・知的障害といった外見からは判断しにくい障害の世間的認知に大きく役立つこととなります。更に、従来の障害あるひとへの対応というものが、設備設置でのバリアフリーか「気遣い」「思いやり」といった任意的・主観的対応かの二元論しかなかったものを、「対応面でのバリアフリー」として、「システム(制度)」とするという形で、普遍化し実現したことは、大げさではなく、日本の障害福祉史上に特記すべき重要な意味をもっていると思いますし、高度な従業員教育がなされ、そのマニュアル化が進んだ東京ディズニーランドならではの成果と考えます。

ですが、そういう高い評価を前提として、だからこそ、是非検討していただきたいポイントがいくつかあります。下記に列記いたしますので、恐れ入りますが、当該の部署に回覧いただき、是非6月の本格導入までには実現の運びとなることを切に願っております。(ただし、あくまで、待てない場合の対応として、E「専用の入り口からご案内してください」というサービスに関連することを中心とするものであり、ゲストアシストカード全般に及ぶものではありません。残念ながら、ゲストアシストカードの全容が公開されていないためです。)

要望


1「列で待てないのだから、並ぶのは免除するが、待つ時間の短縮はしな  い」という形式合理的な対応を改めてほしい。

2 アトラクション以外のレストラン等の施設でも対応可能にしてほしい。

3 園内の表示・対外的広報でゲストアシスタンスカードの存在と必要性、利用
対象者を知らしめて、使用に際して、他の顧客の理解と共感を得られるようにしてほしい。


     上記3点の理由等詳細は、下記ホームページをご覧ください。

http://www.eft.gr.jp/cabinet/dysney/whitecard.htm


4 利用者が、専用アシストシート(そのときだけかけるカバー等でもよい)を設置し、利用者がアシストされるべき存在であり、アンフェアな優待乗車でないことが一目のもとにわかるようにしてほしい。

5 自分でメインストリートハウスで、必要条件の記入すらできない利用者
を配慮し、
郵送等での事前申請制度を検討してほしい。

6 ゲストアシスタンスカードの定義および「待てない場合」以外のサービス
とその対象者を明文化および公開し、利用の便をはかり、かつ、偏った世間の理解を未然に防いで欲しい。


7 「障害の証明の提示がいらない」という現行の制度の素晴らしさを堅持し、高機能自閉症やADHDといった、現行の障害の定義にかならずしも該当しないが、しかし、真にこのようなアシストを必要としているひとたちに広く門戸を開きつづけてほしい。

     上記4点については、ネット上での情報公開後に、寄せら れた要望から構成したものです。背景等は、添付の「メーリングリスト投稿、電子会議室書き込み、直メール」(後述)をご覧ください。

また、今回のことをネットで紹介後、その反響は凄まじいものがあります。多くは、自閉症等の障害をもった子供の親からですが、他のページとのリンク、専門家も多く参加するニフティの障害者フォーラムでも紹介され、大きな波紋がひろがっております。

その一端を紹介するために、そちらに伺った前後、3月30日から、昨日4月10日までのたった10日間余りの期間の私のサイトに関わる主だったメーリングリストへの投稿、電子会議室への書き込み、直メールを添付いたします。(なんとA4 20枚!にもなります。生の感動を伝えるために、なるべく原文そのままの体裁としましたので、お見苦しい点あればお許しください。)自分の体験だけでなく、これらの寄せられた声を参考にして、今回の要望(特に4,5,6,7)は書かれておりますことをご記憶ください。

 以上、ネット参照部分が多く、ご不便をかけますが、今回これだけの反響をまきおこす情報をすばやく広範に低コストで伝達できたことはネットの力でもあることもご理解いただき、お許しいただきたいと思います。

 ご検討いただいたころを見計らって、またご連絡したいと思います。

2000年4月12日                                                      イナッフ・フォア・トゥデイ?

                               代表    岡部 耕典


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