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Enough For Today?
99年2月15日付  オリエンタルランドへの手紙


株式会社オリエンタルランド運営部ゲストリレーションデスク
バリアフリー専門チーム御中

知的障害者の優先搭乗についての御願い

拝啓

 インフォメーションセンター経由、青木様のご紹介で御手紙さしあげております。

 要旨

 自閉症という「待てない」先天的知的障害児をつれて来園する親よりの希望として、 愛の手帳(知的障害者の公的証明)をもつ障害児童およびその付き沿い(同行する家族・ボランティア)にたいし米国ディズニーランドのように、ホワイトカード若しくはそれに准ずるタグ状ものを発行し、その提示によるアトラクションに対する優先乗車のはからいを御願いしたい。

 内容

 私は、貴園のファンであり、自閉症児の親であり、知的障害者支援のための「心のバリアフリー」の店(くわしくは、店のホームページ http://www.teleway.ne.jp/~eft/及び添付資料をご覧ください。)を主宰しております。
 福祉およびバリアフリーに対し格別の配慮のある貴社においてはよくご理解のことと思いますが、障害は、大きく分けて身体障害、精神障害、知的障害の大きく3つに分類され、貴社をはじめとして多くのバリアフリーは主として身体障害のハンディに対する施設等の物理的対応を中心に考えられております。これにたいし、健常者と外観上さしたる違いのない知的障害者にたいする社会の認識・配慮はまだまだと言うのが日本の現状です。特に知的障害の一つ自閉症は、コミュニケーション機能の先天的障害であり、周囲の状況把握、環境適応力が弱く、貴園のアトラクションの多くにある長時間の待機の意味が理解できず、不安定になったり最悪の場合パニックをおこしたりする懸念があります。他方、彼らは純粋で感覚的刺激を好み、乗り物関係に強い関心を示す貴園の大ファンが多いのもご存じでしょうか。
 そこで、上記「要旨」のような御願いとなりました。これらは、理論的な御話ではなく、貴園のファンでリピーターである我が家族と自閉症である息子の体験を踏まえてもうしあげているものです。趣旨、状況をご考察のうえ、ぜひとも格段の配慮・ご検討を御願いしたく思います。
 なお、貴園インフォメーションデスクのほうからは、「個別にアトラクション毎に頼んで欲しい、ただし、可能かどうかは係員の判断による」という御答えもありましたが、身体障害と違い、ただでさえ理解しにくい知的な障害をその都度説明するという互いの精神的・物理的苦痛、しかも、それがかなえられぬときがあるときに状況が理解できない自閉症児本人の反応等にたいして、さらには、そのやりとりが周囲の来園者におよぼす可能性のある障害者および貴園にたいする誤解に対し、少しでも共感的理解をもって判断する創造力がおありの方ならされないであろう失礼ながらまことに冷たいとしか申し上げようがない対応でしたが、これはあくまで、マニュアルにないこと係員の方の個人的意見であり、貴園のコンセンサスのとれた公式見解ではないとは理解しているつもりです。
また、デスクの上司であるの青木様のほうよりは、「集団での事前申請をしてもらえれば、園として対応を周知させておきたい」というお申し出もあり、それ自体はありがたいのですが、周囲からみても本人たち障害者側からみてもいつも集団で動くことの不自然さ、もしくは、へたをすると数の暴力的にうつりがちなありかたにはかねてより疑問を持っており、可能なら、小人数もしくは家族単位の自然な行動としたく上記のような形態の御願いとなりました。園内では、スポンサー等VIP等のためには、そういうさりげない入場優先のしくみもすでに存在するというように聞いておりますので、オペレーション上での困難は少ないかに思います。また、経営主体は違うとはいえ、園内オペレーションからホストコンピュータのメーカーまで米国ディズニーランドと共通にされておられる貴園ですから、米国で自然におこなわれていることの実行をするのに理念上もまったく問題はないはずと信じております。ご参考までに、米国事情を記した本のコピーと参考資料を同封いたします。
なお、この御願いのお手紙およびそのご返事に付いては、店のホームページ上で公開されますことを御断りすると同時に、貴園と貴社のますますのご発展が、ウオルト・ディズニーさんから受けついだ子供の夢をなによりも大切にする姿勢とともにありますように心より御祈り申し上げ、ご返事をおまちもうしあげております。
敬具

1998年2月15日

Enough For Today?(イナッフ・フォア・トウデイ?)

岡部耕典

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