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第8回 行って見るかい?報告


実施日時  2001年10月12日(金曜日)
訪問先   (株)良品計画 & 横河ファウンドリー(株)
場所     横河電機本社地区内(武蔵野市)

行ってきました!
第8回行って見るかい?は、企業就労の現場を見学する会として企画し、良品計画と
横河ファウンドリーの2ヶ所(2社)を訪問見学してきました。
今回は世話人・サポーターのほか、武蔵野東中学/高等専修に通う子供の父兄も加
わり総勢20名の参加者がありました。
それでは、2社それぞれについて報告します。

 

<良品計画報告>

昨年4月に横河電気トレーニングセンター内の1区画を借り、総務人事部の事務セン
ターとして設立。採用条件は嘱託社員で1年毎の契約、現在18名の障害のある方々
が勤務されています。定員は20名とのことです。働いている方々は知的障害、身体
障害、肢体不自由の方々でした。業務内容は、無印良品店277店舗からのペーパ情
報をパソコンを使ってオフラインでのデータ入力です。入力情報は、電気製品、自転
車を購入された顧客情報(住所、氏名、購入商品名など)や店舗店員が来店者から受
けた要望(コンシューマーニーズ)などです。パソコン使った仕事なので、1時間デ
ータ入力したら10分の休憩をとるそうです。中には休憩無しでぶっ続けで続けたが
る方(自閉症の方?)がいるとのことですが、職場安全衛生上、ちゃんと休憩をとる
ようにしているそうです。ちょうど私達の見学時間(1時〜2時)の最後に休憩が入
りました。

見学の最初に、勤務されて半年ほどの身体障害の方が会社概要を説明してくださり、
そのあと質疑応答をセンター長にしていただき、更に2グループに別れて仕事をされ
ている現場を見学しました。職場見学では、内容の説明を実際に働いている方がそれ
ぞれのグループ毎にしてくれました。

センター長との質疑応答全てではないですが、幾つかを記します。
・知的障害者は約半分。
・特例子会社ではない。
・求人はハローワークを通して行う。
・10月後半に2人の実習受入(都立青鳥高等養護1人、他高等養護から1人)を行
 う。これは定員に対して2名の空きがあるから可能。
・実習受入と採用との関係はない。
・申し出があり条件が整えば実習の受入は出来る。但し申し出は学校からが条件。
・就労者間のぶつかりあいは当然ある。
・1年毎の嘱託採用だが継続勤務が前提である。
・18名全員障害者手帳を取得している。
・現在はオフラインでデータ入力しているが、近々ネットワーク情報処理システムと
 するので、社外のデータセンターにアウトソーシングしているものも事務センター
 で行う計画でいる。
・本社に1人、2ヶ所の配送センターに複数人の身体障害の方が勤務している。
・現在の場所での定員の増加は不可能(横河電機に場所の提供を受けていてこれ以上
 の増床は無理)。
・駐車場は確保出来ていないので自動車通勤以外の手段で通えることを条件としてい
 る。
・職場と家庭間での連絡ノートがある。


 

良品計画

 

 

<横河ファウンドリー報告>

一昨年(1999年)9月に横河電機の特例子会社として、知的障害者を採用する会
社として設立。障害のある方12名おり、6名が横河ファウンドリー採用、6名が関
連会社3社で採用されてファウンドリーに出向しているとのことです。(これは、横
河電気+ファウンドリーの障害者雇用率が法定雇用率を満たしていることと、関連会
社での障害者雇用率との関係から関連会社で採用しファウンドリーに出向という形を
採っているもの)

見学は3グループに別れ、それぞれのグループに説明をしてくださる方がついて行わ
れました(説明員のお一人は聴覚障害の方でした)。見学した業務は、リサイクル業
務(不要になった横河電機の製品を解体しアルミ/鉄/プリント基板/配線に分別)、
ゴム印制作(パソコンとレーザ機器を使用)、名刺作成データ入力(エクセル使用)、
銘板制作(製品に貼るラベルをパソコンを使っての印刷、カット等)です。リサイク
ル業務を除き、それぞれの業務で実際に仕事をしている知的障害をお持ちの方が業務
内容を具体的に説明してくれました。
ゴム印制作の説明をしてくれた方は、しっかりとゴム印申込書を渡して営業をしてい
ました。見学者が多く、最近自分からするようになったとのことです(^^)。

知的障害だけではなく、他の障害をお持ちの方の職場見学も事前にお願いしていたの
で、横河ファウンドリー見学のあと、横河ヒューマン・クリエイトと横河マネジメン
トサービスの2社の職場に案内いただき、聴覚障害の方に仕事の内容の説明をしてい
ただきました。お二方とも不自由さの克服に自分の時間を使っての勉強等努力されて
いるとのことですが、仕事、職場にやりがいと楽しさを見いだしている様子でした。

職場見学の終了後会議室に案内いただいて、横河電機/横河ファウンドリーでの障害
者雇用に関して、資料に基づいて説明していただきました。

質疑応答、説明資料でのポイントの幾つかを記します。
・横河電機だけではなく、横河グループ全体の障害者雇用のあり方を考えるために、
 横河ヒューマンクリエートにコンサルタントを配置。
・障害者雇用の考え方として、現状の身体障害者中心のノーマライゼーションの他に
 知的障害者および一般就労が困難な障害者中心の考え/枠組みを進める。
・横河ファウンドリーの初任給は125,000円。
・横河ファウンドリーの2000年度売上は8000万円、01年度は1億円の見込
 み。
・1999年度は赤字だったため、賞与支給はなし。理由をちゃんと説明して納得?
 してもらった。
・00年度は黒字となり、賞与を支給した。
・リサイクル業務は赤字業務。赤字だが、横河電機としてのリサイクルのシンボルで
 あることから、リサイクル業務を取り止めることはない。リサイクル法により今後
 利益の出る可能性もある。
・利益が出た分は、生産性を上げられるよう、良い設備、道具の投資をしたい。
・01年度の上期に1名増員して12名(12名全員障害者手帳取得)、下期に2名
 増員予定。(増員がファウンドリーか関連会社かは?)
・指導者を人選している(横河電機からの出向者をまず人選、ダメならお引き取り願
 って再人選とのこと)。
・横河ファウンドリーでは全員が一通りの業務をこなす。
・採用後、最初はリサイクル業務から入る。
・実習は受け入れていない。
・採用面接で全て判断する。
・評価結果を伝え本人と面談をする2way方式をとっている。
・職場での成功体験により、職場と家庭での様子が違う。
・職場と家庭間の連絡ノートがある。
・他の特例子会社との交流はない。




横河ファウンドリー


 

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