Enough For Today?
心のバリアフリー市民会議

武蔵野市で起こったある「事件」について


 「心のバリアフリー市民会議」の結成は、東京都武蔵野市で、17歳の自閉症の青年が、ちょっとしたことがもとで警察に連行されてしまった「事件」に、イナッフ・フォア・トゥデイ?のバーチャルカフェが関わり巻き込まれたことから端を発しています。
 内容を理解いただくために、この事件のことを知らせ、やりとりした、イナッフ・フォア・トゥデイ?メーリングリストから、関連メールを紹介します。

2000年2月17日 PM6:29

イナッフ・フォア・トゥデイ?岡部です。

「心のバリアフリー」、「障害のある人にもやさしい町作り」に大問題発生。
こんな「事件」が、武蔵野市本町でありましたというお話です。

ある自閉症の17才の青年が、コーラを買いにいったときに,他の家のひとの塀にそのコーラをかけてしまった
そうです。自閉症の親なら、想像しやすいでしょうが、面白かったのか,軽いパニックなのか、ちょっとわかりません。
でも、いわゆる悪意のいたずらではなく,障害がなせるもの、でしょう。

ところが、その家の持ち主(一人暮しの老人)が、いままでに何度もそういういたずらがある、と詰問し、「ちゃんと謝れない、誠意がない」といって激怒してしまいました。

もちろん、青年がコーラかけたのははじめてですが、ま、これは、老人にはわかりませんね・・また、ちゃんと謝れないっていうの、
それは、この障害の特性からして、大変困難な要求だとは、まあ,こういう障害知らない老人にはわからないかもしれませんね・・・

でも、この後が問題。老人は、「一人暮しなのに火でもつけられたら困る」(!)といって,武蔵野警察に通報し(!!)警察は、青年を
衆目のなか,サイレン鳴らしたパトカーで署まで連行し、(!!!)慌てて、駆けつけた父親に「今後一人の外出は禁止!同じ事を
再びしたら施設に収容する」といわれたというのです。しかも,重犯罪者のように写真まで撮られて・・・(!×100個です!)

あたしが、彼のお母さんから依頼うけて,武蔵野警察署の少年課に同行しますと、「外出禁止」とか「施設収容」とかは,「絶対いって
いない」と水掛け論。「写真はとっていいと許可とってからとった」とこれも食い違い。まあ、ここらへんを追求しても感情論になる
だけなので、以下のことを訴え、了解してもらって帰ってきました。

まず、警察が,障害特にみえない障害である知的障害に対する知識をもち、できれば、地域にも啓蒙してほしいこと。
そして,警察は、事件がおきた場合,通常の犯罪に対する対応と違い、障害あるひとを「守る」という姿勢でまず接して欲しいこと、
そのために、今回どうせ写真とったのなら、本町の交番の警官全員にその写真を見せ,青年のことを障害のことを含め、正確に理解得させ、街中では青年をみかけたら、さりげなくフォローしてあげること,トラブルに巻き込まれたら、きちんと対処仲裁し,間違っても、サイレンならしたパトカーで連行したりしないこと。

すごく控えめですが、今回はこれだけに絞りました。けんかが目的ではなく,青年の人生の保護(大げさではないと思います)が、目的ですから、とお母さんには納得してもらいました。ちなみに約束の相手は,少年課
の小座間さんと小林さんというおまわりさんです、ご記憶の程よろしく。

しかし、これが,「障害にやさしい町武蔵野市」なんでしょうか!全国1・2を争う自閉症・知的障害者の多い町なんでしょうか?
(警察はもちろんこのこと知らず,勉強なりました、なんていってましたよ)ちなみに、おかあさんは、武蔵野市の障害福祉課にもいって訴えましたが、
警察の少年課の電話番号教えてくれただけ(!)だそうです。自分でなんとかしろってことなのね?そこで、あたしにおはちが回ってきた次第。

別に、武蔵野市で、同じく自閉症の青年が警察(武蔵野警察でしょ?)ひっぱられて、精神病院に措置入院(強制入院)させられた、話も聞いてます。
某関前で,知的障害のひとへのあてつけに「変質者に注意」って張り紙はられた話もね・・・武蔵野市ではありがちなことらしい、残念なことに。
だから、今回は、あたしも慌ててとんでった次第です。

さあ、これで、武蔵野市民社会福祉協議会とかで,武蔵野警察対象の知的障害の講習とか,本町の地域福祉の会が,全戸配布のちらしにこの件載せてくれるとかするのかしらね?見識・存在意義とわれるところです。(警察にはその必要性を
説明しておきましたが)警察も市役所もだめなら、ここが、障害あるひとの最後の砦です・・・よね?
(かなりあたしもやけになってます)

PS この騒動で警察いった日の夜にイナッフ・フォア・トゥデイ?にきたお客の施設職員のひとに聞いたんだけど、そこの自閉症の青年が,近所の公園で子供とじゃれてたら、子供の親が,パトカー呼んじゃったんですって!どうも、この手の問題は、頻発してるのでしょうか? 「障害のある人にもやさしい町作り」どころか、「障害のある人が逮捕されない町作り」って、スローガンかえましょうかねえ?南町福祉の会の皆さんも。
今回は,本当に怒ってます・・・・

2000年2月17日
 PM7:49

こんばんは、悟空です。

言葉にならないです。悲しすぎます。
自分の子供の事を思うと、被害者の青年(敢えて被害者と声を大きくして言います)それとご両親の痛みが良くわかります。

強い立場(言い換えたら権力に近い物を持った)の警察の怖さを改めて感じます。

こういうことを市議会で取り上げて欲しいです。市長にしろ、市議会議員にしろ、市役所にしろ、もちろん警察にしろ「公僕」です。
市民を、特に弱い立場の人を守り、奉仕することをミッションにする人たちが、その本分を全うするためにどうすべきか、今回の事件をトリガに本来は自ら考えるべきものですが、それは報告してもらったやりとりから言うだけ無駄でしょうか?

やはり、知的障害を持った親を中心に心ある人の協力を得て、草の根的に徐々に「障害のある人が逮捕されない町(市)」から「障害のある人にもやさしい町(市)」に変えていくしかないのでしょうかね。

岡部さん、ご苦労様でした。

2000年2月18日 AM0:44

Hoseです。
誰かOBの方が「学校を卒業してから楽になるなんて事はなくて、1年1年次々と違う問題が持ち上がって来るんだよ」とおっしゃってましたが、この問題はまさにこのお言葉の一典型ですね。知的障害を持つ子どもの親は、死ぬまでその子の面倒をみなければならないし、その子が生きて行きやすい環境を作っていかなければなりません。
今回のお話は他人事ではありませんし、怒りも覚えますが、我々親がまず何をしなければならないのかも考えさせられます。
やることはいっぱいあるでしょうけれども、私は初めの一歩は、「自閉症」の正しい知識を多くの方に持ってもらう事だと思いま
す。いわゆる啓蒙活動ですか。ここいら辺からなら私にも出来そうな気がします。WEBにある「あたらしい自閉症の手引き」のご紹介あたりから手をつけてみようかな。
まず、自分の周りから変えていかないと社会なんて変わらないと思うんですよ。

2000年2月18日 AM0:53

こんばんは。 以前入会の挨拶をさせて頂いた後はROMオンリ−だった”さまそあ”です。

今日の岡部さんの報告には”ショック”を受けました。
当事者の御本人及び御家族の事を思うと本当に言葉になりません。

自閉症というものが社会一般に認識されていない為の事件ですね。
それにしても
> ちなみに、おかあさんは、武蔵野市の障害福祉課にもいって訴えましたが、
>  警察の少年課の電話番号教えてくれただけ(!)だそうです。

自閉症を理解していない、御老人及び警察官はともかく、市役所のこの対応は許せませんね。 「障害福祉課」と看板を掲げてもそこにる職員は自閉症を知らないということなのでしょうか?

3年半前アメリカで息子が自閉傾向だと診断され、帰国してからは自分の身の回りの人達には「自閉症」という障害については機会のあるごとに説明し、すこしでも多くの理解者をつくろうとしてきましたが、今日のこの報告を聞くと、そんなものではとても追い付かない(何に?)とあせりともいえる感情が沸き上がっています。

ここでいつもHoseさんがおっしゃっている”行動”なんですかね?必要なのは・・・。

今日は寝付きがわるそーです。 うだうだと失礼しました。

2000年2月18日 PM2:05


もみのきです。
岡部さん発信の

 Subject: [mleft:0418] 武蔵野市での「事件」です

を、全文を転載してもいいでしょうか?
「もみのきくらぶ」掲示板に載せたいのですが。
それと武蔵野・三鷹ケーブルネット「COMPARK」(会員制)の掲示板にも書込みたいのですが。いかがでしょうか?

まずは多くの人にこの事実を知ってもらいたいです。

では

2000年2月18日 PM4:22

イナッフ・フォア・トゥデイ?岡部です。

みなさん、いろいろ「事件」について、コメントありがとうございます。

「こんなことあっていいのか」といった義憤、そして、この対応をどうしたらいいのか、といった前向きなお話が多く、嬉しい限りです。

ただ、このメーリングリストの他への転載等については、一応、当事者たるおかあさんの意向を確認してからのち、お願いしたいと思います。

実は、このおかあさんとの接触も、インターネットから、当ホームページに飛びこんできて、この店の活動に感激して、「賛助会員になりたい」とメールがきたのが、出会いなんです。賛助会員の申込みは受けましたが、お勧めはしてますが、まだ、「東風」もイナッフ・フォア・トゥデイ?メーリングリストも加入してません。
一応、今までのメーリングリストの記事と反響を転送したうえで、他への転載の許可を得たいと思いますので、もうしばらくお待ちください。

そういう出会いがあったという意味でのインターネットの有効性、すごさを感じるとともに、それだけじゃだめだなあ、ということも痛感させられる今回の事件でした。

ネットの会議室での交流とともに、日常生活での交流と活動、ネットでの障害あるひとたちへの啓蒙活動とともに、地域隣近所での地道な活動、いろんなものがバランスしないと、思いは力にならないですよね。

今回のことでいろいろ思いをめぐらせた方々も、できれば、なにかちいさくてもいいから、自分のテーマを見つけて、実行にうつしていただければうれしいです。

あたしは、とりあえず、武蔵野市民社会福祉協議会へお願いして、本町の福祉の会にとりあげてもらい、全戸配布の会報
に載せてもらうように依頼しようと思います。
結局、体はって汗ながさないと世の中かわんないですよね!

2000年2月18日 PM10:18

たまにしか現われないせんだです。(でもこの画面は毎日のぞいています)
「事件」にビックリ!言葉をつなげることができません。
でも、岡部さんってすごいわ。
ボクだったらあそこまで闘うことが出来るだろうか?
被害者のお母さんが岡部さんとつながっていたことも幸いだったよね。
これが誰ともつながっていなかったら、と考えるとぞっとします。
ボクは、武蔵野市がいつから「障碍者に優しい街」と呼ばれているのか知りません。
ある意味で、一般市民が様々な障碍に対する正しい知識と理解がないというの仕方のないことかもしれません(関係者の方、ごめんなさい)。でも行政やそれにつながる社会福祉協議会の関係者が知らなかったり、知ろうとしなかったりということはあってはなりません。あっ、市民の選良たる議員もね。
どうでしょう。この際皆さんが考えていることをすべてやってみたら!
皆さんは良くご存知だと思いますが、武蔵野市の社会福祉協議会は全国で唯一、「市」ではなく「市民」という文字をつけたところなのです。
こんな所にも土屋市長や水村七五三彦社協会長の、「市民の公僕でありたい」という意気込みが表われているとは思いませんか。
社協の広報誌に記事を投書してください。(あそこの人達に文章が書けるとはとうてい思えないので…)絶対掲載してくれると思いますよ。
水村さんに面談を申し入れてもいいじゃないですか。
ボクにできることがあったらなんでもお手伝いしますよ。こんな時ぐらいしか役に立たないと思うので…。
                        
2000年2月18日 PM11:15

どうも,ご無沙汰のjump です.

すいません,私も一言言いたくなってしまいました.

最近,なんか,精神障害(正しい使い方かどうか分かりませんが)が事件の原因ではないかということが,裁判とか審判の争点になっているような報道が多いような気がします.実際,自分がインタフェースをとっていないので,新聞やTVニュースからの印象からでしかないのですがね.

私は,自閉症児の親として,自閉症についてそれなりに理解をしようという努力をしていますが,実は,今の立場,つまり,自分の子供が自閉症ではないかと思ってからがそういう行動のスタートとなっています.

以前から武蔵関駅から三鷹通り界隈をうろうろしていた私は,知的障害者・児が多い気はしておりましたが,理解しようとか,
知的障害にどのような種類や特性があるのかなどは考えたことがありませんでした.ただ,漠然と個性として受け止めようという
気はしていました.それは,大江光さんとかをテレビで見ていたせいだと思います.

で,何が言いたいかというと,自閉症については理解していこうとは思っていたけど,知的障害とか精神障害とか全体については
自分でもどう理解/取り組みをしていったらいいのか分からないんです,という告白です.他の人への取り組みもさることながら,
私自身がまず,って感じがしています.

また,今回の皆様のご意見を見ていて,子供のことを職場のみんなにも伝えようと決心しました.多分,近いうちに実行すると思います.
では.

2000年2月19日 PM0:55

ボンボヤージです。
・・・・・・・(前略)・・・・・・・・・・・・・・
いま、武蔵野市の「事件」がおおきなテーマになっていますね。
○「よかよかねっと」は地域の人々や交通機関の職員、行きさきの施設の職員や
  電車でたまたま隣り合わせた人に障害のことを知っていただくチャンスだと思っています。
○「よかよかねっと」は自分の子供以外子ども達をまた自分の知っている障害以外の障害を
  知って、優しくなれるチャンスだと思っています。
○「よかよかねっと」はこどもたちの好きな世界がなにか、障害による困難を乗り越えて
  楽しく過ごすことを発見できるチャンスだと思っています。
○「よかよかねっと」は子どもたちのために親やまわりの人々が「行動」を起こせる
  チャンスだと思っています。 
うーん、なんて思いこみ激しいと思われちゃiそうですが...
みなさん、やっぱりお気軽に楽しくご参加ください。
http://www.eft.gr.jp/yokayoka/000319chichibu.htm
 ・・・・・・・(後略)・・・・・・・・・・・・・・

2000年2月19日 AM6:58

ヌエボレオンです。

以前、ご挨拶させていただいてから、最近ご無沙汰してました。

武蔵野市の件は、本当にひとごとではないと思いました。
うちの娘(自閉症 5歳)はまだなにかしても「しょうがない」ですませてもらってますが、大きくなってから問題行動を起こしたときに武蔵野市の件と同じような結果になる可能性は考えられます。

ただ、自分の子が自閉症と分かる前に精神障害者に対して抱いていた感情を思い出してみると、この老人の取った行動もわからないではないんです。
「なにをするかわからない」というのが一般の方が精神障害者に対して抱く、わりと「普通」の感情のように思います。
日常的に精神障害者と接することのない方が、すすんで精神障害者を理解しようというような努力は、普通はおそらくしないでしょう。
外見からくる「思い込み」で「なにをするのかわからない奴」と考えている人が多いように思います。

コーラを塀にかけたくらいのことで警察を呼んだのは、老人に恐怖心があったからだと思います。最近の新潟の監禁事件や京都の小学生刺殺事件などといった変質犯罪を思えば、あながち理解できない心情ではないです。
(この老人に、自閉症などに対する知識がありなおかつこの青年が自閉症である、ということがわかっておればこんな事件にはならなかったんでしょうけれども、初対面の場合どうやって青年が自閉症であり、犯罪を犯す「変態さん」
とは違うということを理解できるのか?)

特に、
> PS この騒動で警察いった日の夜にイナッフ・フォア・トゥデイ?にきたお客の
> 施設職員のひとに聞いたんだけど、そこの自閉症の>青年が,近所の公園で
>    子供とじゃれてたら、子供の親が,パトカー呼んじゃったんですって!
>    どうも、この手の問題は、頻発してるのでしょうか?

というのは、私も自分の子(自閉症児)が見知らぬ体の大きな精神障害者と公園などで遊んでいたのを発見したら、ちょっと平気じゃないです。
相手にまったく悪気はなくとも、なにかの拍子に子供が怪我でもさせられては、と思うからです。
自閉症のことを知っているだけに警察を呼んだりはしませんが、注意して見守るでしょう。子供をほって帰ることはできません。

うちの娘も大きくなったら警察呼ばれるようなことをするかもしれません。親としては、なんとかしてやりたい、とおもうのですが。
警察に写真をばら撒いてあらかじめ対応をお願いしておく、というのはいい手かもしれないと思いました。(冗談ではなく、将来的に真剣に検討してもいいと思ってます。)

2000年2月19日 PM12:53

TERA@久々の投稿、です。
ダウン症の息子がいますが、最近、+自閉症と医師に言われました。

ヌエボレオンさんのメール

tueda> 警察に写真をばら撒いてあらかじめ対応をお願いしておく、というのはいい手かも
tueda> しれないと思いました。(冗談ではなく、将来的に真剣に検討してもいいと思ってま
tueda> す。)

に対して、参考になるか...
ご近所に対する我が家の場合です。

息子、徳太郎は近所の小学校の学区とは2学区くらい離れた養護学校に通っていますが、地域の子供や親と繋がりを持ちたいので、放課後、近所の学童クラブへ通わせています。(最近は学校の学習発表会の練習でストレスが溜まっているのか、不安定で自傷が激しいので、休ませていますが)。

新入の1年生などが入ると、皆暫くは不思議そうにしていますが、直ぐに慣れてくれ、それなりの仲間扱いをしてくれます。私も、希にですが送り迎えするので、私のことも覚えてくれて、道でや公園で遇うと「あっ、徳ちゃんだ!」とか、「徳ちゃんのパパだ!」と挨拶してくれます。

ご近所も人の流動もあるでしょうが、将来も誰かが息子のことを覚えていてくれ、何かの時には「あっ、徳ちゃんだ」と言ってくれ、地域から排除されない素地ができることを期待しています。また、同じような症状の人に会ったときも、息子のことを思い出して、変な先入観なしで接することができるようになるかな?とも淡い期待も持っています。

私は、住み続けられるように家のローンをガンバらなきゃ。

2000年2月19日 PM6:07

イナッフ・フォア・トゥデイ?岡部です。

武蔵野市の「事件」の件で、さらにいろいろご意見ありがとうございます。

JUMPさん、ヌエボレオンさん、精神障害、差別意識の件ですが、

昨晩は、愚息(自閉症児)の誕生日でした。イナッフ・フォア・トゥデイ?は、休みにさせていただいて、家族で誕生日祝。
店で、働いてるMさんも、来てくれて、4人でささやかなパーティ。Mさんは、「プレゼントはいらないよ」というと、(愚息は趣味に偏り?あるので)さんざ悩んだあげく、50kgしかない体で、大きなオルガンを担いできて、ハッピーバースディを弾いてくれました。ささやかだけど、楽しい一晩でした。

そのMさんは精神障害者。いついもだじゃればかりとばしていますが、先週は、自殺念慮がおこり、いろいろ電話したあげく、武蔵野警察に110番したそうです。そしたら、「あ、そう」って、切られてしまったんですって。Mさんのコミカルな性格が災いしたのかもしれませんが、そのあと、Mさんは、何人かの友人に電話かけまくって、やっと話きいてくれる友達みつけて、九死に一生を得た?そうです。精神障害で、本当に人を殺したりするひとはまれだそうです。そのかわり、自殺はほんとうに多い。これは、障害ゆえなんです。
弱さでも甘えでもないよ。それって、知的障害に努力が足りないっていうのといっしょです。警察がそれ知らないでこういう対応すると、とんでもないことになります。

この人が、危険な人じゃないことは、会った人はだれでもわかります。ま、だじゃれが多くて、時々「うるせえ」って思いますが。

イナッフ・フォア・トゥデイ?の御客には、精神障害のひとも身体障害のひとも多いです。武蔵野にて、店やって、知的障害だけでなく、そういう他の障害のひとたちともしりあいになり、友達もたくさんできました。このMLに参加してるひともいっぱいいます。

そういうひとたちと、最初あったときは、正直いって自然にあえたとは限りません。なんか警戒したり、見た目で、びっくりしたり。でもね、3回あうと、また、ネットで話すと、なんか、そういう「意識」って、おどろくほどなくなってきます。
平気できわどい冗談いったり、本気で怒ったり。
これは体験しないとわからないし、体験すればだれでもそうなると思います。

よくわからないものは恐いし、恐いものは、先に叩きたく(いじめ)なります。障害あるのだから、「差」があるのは、当然ですが、それを、各人のうちなる劣等感が、恐怖が、「嫌悪」にかえます。「嫌悪」を「ない」と思いこませようとしてもだ
めです。「嫌悪」におそるおそるでも触れ、その中身にわけいっていくうちに、「嫌悪」の中
身が、「からっぽ」なのが自然にわかります。

こんどの3月から、店では、就労支援センターMEWの利用者を中心に、精神障害のスタッフが、昼夜ともに協力する体制を大幅に拡充します。よかったら、みなさん、いらしてください。(ちょっと宣伝かな!)

健常者と障害関係者のコミュニケーションだけでなく、どうか、障害のある同士、また、本人、親、兄弟、関係者を超えて、「知り合って」欲しいのです。ただでさえ、マイノリティです。御互いに、知り合わず、力もかさないって、アメリカで、黒人とプエルトリカンが、いがみ合うほど、ばかばかしく、もったいないことです。

あと、もうひとつは、警察の役割。

普通の一般の人達が、障害、特に、知的障害とか精神障害といったみえない障害が、理解しにくいのは、そのとおりと思います。
でも、だから、警察の役割が重要なんではないでしょうか?

17歳の青年のように、連行されるのも警察, Mさんのように自殺の最後の歯止めも警察。医者と同じく、警察の役目って、「事故」「事件」になるまえの最後の歯止めだと思うんです。決して、おいこらが仕事ではないの。だから、今回、警察を一番問題視してるんです。あまりの知識の不足。問題意識のなさ。
事後処理の体質。権力というものの本当の意味・責任がわかっていません。

これをどうにかできないんだったら、市役所も社会福祉協議会も同罪です。こちらは、障害者の保護、啓蒙活動が仕事ですからね。

でもね、せんださん、

社会福祉協議会にいくのは、もう少しまってほしいのです。
ここには、やはり、当事者である青年のお母さんからの自発性が必要だと思うのです。
直接おかあさんにも申し上げましたので、また、このメールも転送しますので、あえて、ここでいいますが、青年の家族にも問題あると思います。ずっと孤立した状態で、家族で閉じこもり、地域とも、おなじ障害ある仲間との交流もほとんどなかった。そういうなかで、今回の事件はおこりました。
おかあさんは、とてもそのことを反省しておられます。でも、まだ、そこから踏み出す力がないのよね。だから、社会福祉協議会にいくのは、おかあさんが発議してほしい。
ここから、1歩が始るのを奪っちゃいけないです。付き添いなら、いくらでもいきます。あとは、社協からの呼びかけもほしいですね。このMLは、社会福祉協議会にも配信されています。これに反応ないのなら、社協のインターネットは、予算の無駄遣いで
す。(あ、また、過激なことを・・)
だから、来週いっぱいは、まってみようとおもっています。

TERAさん、ボンボヤージさん、

ほんと、
自分たちのすぐ身近の町作りと、身近の人への啓蒙活動、大切だと思います。あたしなんかも、やっぱ、身近の活動って一番大変。
ネットなんかで、こうやってえらそーなこと能書きたれてんのは比較的楽だけど、やっぱ、送り迎えのバスのなかで、愚息がそそうしたときの恥ずかしさ、とかね、
そこで、逃げちゃおかな、やっぱり、ちゃんと事情説明しなくっちゃな、とかね。いつぞやのBWさんの話(あ、あれは,東風でしたね)すんごく良くわかります。
だから、おたがい、はげましあったり、助け合ったりしないとね。しかも、それが、こういうネットで、地域の差も超え、また、障害の種別も超えて、共感しあえて、あるパワーが生まれるのとうまく融合してほしいものだと思います。

だって、今回も、結構黙ってROMしてたひとたちも含め、わーっといってくれたものね。
本当に嬉しいです。

しかし、これを、現実の形につなげなくては・・・うーん、テンミリオンの情報公開もこれからだし、オリエンタルランドのホワイト
カードもそろそろ確認しなくちゃならないし、がんばらなくては・・・

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これは2000年2月17日 PM6:29から、2000年2月19日 PM6:07までのたった実質2日間のやりとりのメーリングリストです。
これだけ短時間のあいだに、障害児の親を中心に、これだけのひとたちの真剣で切実な反応と濃密な議論がなされました。
この日をおかず、社会福祉協議会からもメールがきて、様々な人の意見と意欲を巻き込みながら、今のような形に展開しています。(以降の熱い議論等もML上で多々ありますが、割愛させていただきました。なお、掲載分については、この「事件」めぐる市民の声として、公開について許可を受けて掲載しておりますが、転載等はご遠慮ください。)

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