3-3 特殊学級
3-3-1 武蔵野市の特殊学級について 3-3-2 各地域の特殊学級の一覧表(小学校のみ) 3-3-3 私立学校(普通学校で障害児を受け入れているところ) 3-3-4 通級指導について 3-3-5 21世紀の自閉症児への特別支援教育の有り方について」 |
●特殊学級の入学判断
児童の一連の行動や簡単な知能検査、校長や教頭との面談により本人の様子を把握し、文部科学省の通達を参考にしながら保護者と話し合い、児童本人にとって一番いい環境を見つけだす。
はじめから障害が判明しているケース
就学相談…幼児教育相談室にて相談を受けられます。
場所:武蔵野市境4−11−6 境幼稚園2階 TEL 0422-54-1991
申し込み:武蔵野市教育委員会「学務課」 TEL 0422-51-5131(内)3328
●就学相談の進め方
幼児相談室
児童の就学、転学について心配事、お考えなどを伺います。
児童と話したり遊んだりしながら成長の様子を観察します。必要に応じて、発達の様子を検査したり、専門の医療機関や関係の施設などの世話をします。
就学指導委員会
専門の先生達が児童の在籍校に出向き担任の先生から情報を得ます。保護者の考えや希望を聞きながら養護学校や心身障害学級などの見学、体験入学の世話をします。必要に応じて、就学指導委員の医師(小児科・児童精神科医)が診断し保護者の相談を受けます。就学相談を受けた児童を一堂に会し、就学児童委員全員の立ち会いのもと「集団行動観察」を行います。以上の観察や診断の結果と保護者の考えを総合的に検討して、望ましい就学先について方向性を出します。
保護者との就学相談
就学指導委員会での経過を説明し、考え方を保護者に知らせ、保護者に考え方がある場合には検討、協議を重ね、保護者の意向を尊重しながら進めます。
●「継続相談」について
例年の就学相談を終えて、それぞれ就学した子供達が、就学先でより適切な教育が受けられるよう、継続相談のシステムももうけられています。原則として、就学指導委員会の判断と異なる
就学先を選択した子供を対象としています。 ・・・・詳細は 教育委員会 学務課まで
●障害別学級
知的障害
大野田小学校 むらさき学級 2学級 吉祥寺北町4−11−37 TEL 0422-51-0513
境南小学校 けやき学級 3学級 境南町2−27−27 TEL 0422-32-3401
第4中学校 群咲学級 2学級 吉祥寺北町5−11−41 TEL 0422-51-7677
難聴・言語・障害
桜野小学校 こだま学級(通級)2学級 境4−11−6 TEL 0422-54-0176
第一中学校 エコールーム(通級)1学級(難聴)中町3−9−5 TEL 0422-51-1136
肢体不自由
大野田小学校 いぶき学級 1学級 北町4−11−37 TEL 0422-51-0511
病弱(院内)
境南小学校・第6中学校 いとすぎ学級 所在地 武蔵野赤十字病院 内
情緒障害
桜野小学校 こぶし学級(通級) 2学級 桜堤1−7−25 TEL 0422-53-5651
第2中学校 こぶし学級(通級) 2学級 桜堤 1−7−25 TEL 0422-54-9103
●交流教育
各学校に交流委員会が設置されており、「交流給食」、「交流授業」などが学校独自で行われています。
小金井市
第一小学校 梅の実学級 TEL 042-383-1141 知的障害
第二小学校 さくら学級 TEL 042-383-1174 〃
第二小学校 大空学級
TEL 042-385-3598 情緒障害・通級指導
きこえとことばの教室
TEL 042-381-3327 難聴・言語障害通級
三鷹市
南浦小学校 きこえ学級
TEL 0422-41-0061 聴覚障害
南浦小学校 ことばの学級 〃 言語障害
南浦小学校 むつみ学級 〃 情緒障害
第6小学校 ふじみ学級
TEL 0422-44-0913
知的障害
第7小学校 ポプラ学級 TEL 0422-44-5777 情緒障害
大沢台小学校 わかば学級
TEL 0422-32-2107 知的障害
高山小学校 わかたけ学級 TEL 0422-45-2120 肢体不自由
練馬区
旭丘小学校 知的障害学級 TEL 03-3974-8000 知的障害
旭丘小学校 情緒障害学級 TEL 03-3957-2151 情緒障害
旭丘小学校 難聴通級学級 TEL 03-3993-4265 難聴
大泉小学校 知的障害学級 TEL 03-3921-2938 知的障害
大泉小学校 情緒障害学級 TEL 03-3978-4074 情緒障害
大泉小学校 言語障害通級 TEL 03-3924-0261 言語障害
石神井小学校 言語障害学級 TEL 03-3997-3297 〃
大泉小学校 難聴 通級 TEL 03-3997-3279 難聴
練馬東小学校 〃 TEL 03-3990-9149 知的障害
光が丘第3小学校 〃 TEL 03-3976-6210 〃
石神井西小学校 〃 TEL 03-3920-0378 〃
練馬第3小学校 〃 TEL 03-3970-0668 〃
大泉東小学校 〃 TEL 03-3922-1355 〃
北町西小学校 言語障害学級 TEL 03-3932-7631 言語障害
光が丘第一小学校情緒障害学級 TEL 03-3977-2722 情緒障害
杉並区
第三小学校 しいのみ学級 TEL 03-3314-1900 知的障害
若杉小学校 こだま学級 TEL 03-3392-5598 〃
馬橋小学校 仲よし学級 TEL 03-3330-6326 〃
桃井第二小学校 ひまわり学級 TEL 03-3398-6511 〃
桃井第三小学校 梅組 TEL 03-3399-6811 〃
四宮小学校 クローバー TEL 03-3390-7937 〃
高井戸第二小学校 久我山学級 TEL 03-3333-7910 〃
新泉小学校 仲よし学級 TEL 03-3322-7559 知的障害
済美小学校 かしのみ学級 TEL 03-3313-4632 〃
※通級指導学級
桃井第一小学校 きこえとことばの教室 TEL 03-3390-9252 難聴・言語障害
高井戸小学校 けやき学級 TEL 03-3334-1299 〃
第十小学校 言語障害学級 TEL 03-3318-7771 言語障害
第七小学校 すぎしち学級 TEL 03-3392-7575 情緒障害
中野区
仲町小学校 けやき学級 TEL 03-3362-9104 弱視の通級
※学区域 練馬区・杉並区・武蔵野市・小金井市・三鷹市
3-3-3 私立学校(普通学校で障害児を受け入れているところ)
武蔵野東学園(幼・小・中・高専)
TEL 0422-54-8611(代)
本館 武蔵野市西久保3−25−3 URL http://www.ceres.dti.ne.jp/~mhg
※混合教育 治療クラス(自閉性障害 各学年3クラス・7〜10名)+普通クラス
和光学園(小・中・高)
TEL 03-3420-4353
世田谷区桜2−18−18 URL http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~wako-syo/index2.htm
※共同教育 学級で1〜2名 (主要な活動に介助員なしで学級集団に参加できること)
文京区駒本小学校 コミュニケーション教室「いずみ」 TEL 03-3827-5575(直)
自閉傾向、LD、ADHDなどの障害のある児童で、通常学級で不適応を起こしている子どもが多くいます。文京区では通級制の指導を始めました。他地域でもこのような学級の設立が望まれます。ここでは「いずみ」の基本方針の一部を、参考として掲載します。
教育目標を達成するための基本方針
@ 在籍校と指導方針・内容について充分話し合い、相互に連携・協力して指導する。
A 個別指導による治療教育を最重視し、個々の児童の特性や能力、あるいは障害の程度に合わせて個別の
指導計画を立案し、細かいステップや指導法を工夫しながら児童の力を伸ばすようにする。
B マンツーマンによる小グループ指導を通じて、個別指導では困難な社会性や課題に取り組む意欲を培う。
通級日数や指導時間数は児童の実態に応じて決める。
C 保護者、その他の必要な機関との連携を密にし、子どものより良い成長を図る。
3-3-5 21世紀の自閉症児への特別支援教育の在り方について
国立特殊教育総合研究所分室長 東條吉邦
自閉症児への教育的対応を主目的として1969年に開始された我が国の情緒障害教育は,大きな転換点を迎えている。自閉症の症状形成に関する考え方や治療的・教育的対応の方法に関して,この30年間で大きな転回があり,自閉症専門の養護学校や特殊学級の設置を望む声がある一方,普通学級での教育的対応の改善も切望されている。
特殊教育の在り方自体も大きな転換点を迎えている。2000年5月に文部省が設置した「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」(座長:河合隼雄
国際日本文化研究センター所長)では,自閉症児教育の改善の必要性を含め,特殊教育の在り方を見直す必要性について多くの発言があり,これからの自閉症児教育の在り方に関しては,後述するようないくつかの提言がなされ,今後の文部行政に反映される。
この調査研究協力者会議の最終報告書は,2001年1月15日に文部科学省に提出された。この報告書の標題は「21世紀の特殊教育の在り方について
〜 一人一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について
〜 」となっている。この会議では,特殊教育の枠組みを大きく変えようという意見が強く表明され,敢えて副題(一人一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について)が付けられたという経緯がある。また文部科学省も,関係部署の名称を「特殊教育課」から「特別支援教育課」へと変更した。このように,個人のニーズに対応していく必要性が,最近では特に強調されるようになってきた。それは,周囲が何を望むかよりも,障害のある本人が何を必要としているかという「本人のニーズ」を最優先するということである。
これまでの我が国の医学や教育の世界では,ハンセン病への対応の実例からもわかるように,社会防衛的な立場からの対応,つまり「多数者の幸福」といった側面からの対応を重視する傾向が強かった。しかし,21世紀の特別支援教育では,周囲の子どもや保護者が何を望むかよりも,本人が何を望むかを重視することが大前提となる。
このことは,視覚障害や聴覚障害の世界では,すでに概ね実現されている。ところが,知的障害や情緒障害の場合,「この子が普通学級にいると,授業が進まないので困る」とか,周囲の親が「(ADHDや自閉の子どもの)問題行動を何とか押さえて欲しい」と圧力をかけるなど,教師や保護者の希望を優先させてしまうというように,周囲の影響力が強かった。21世紀の特別支援教育では,まず,こうした意識から変革していく必要がある。
この調査研究協力者会議による最終報告書に記された特殊教育への提言は,多方面にわたるが,本稿では,自閉症児教育の改善に関する提言に限って簡潔に記す。
まず,知的障害を伴う自閉症児の場合,知的障害のみを有する児童生徒とは異なる教育的対応が必要であることが明確に述べられ,どのような教育的対応が適切であるかについての調査研究を実施するよう,文部科学省に求めている。
次に,知的障害を伴わない自閉症である高機能自閉症については,自閉症は中枢神経系の機能不全による障害であることを指摘し,@いわゆる心因性の情緒障害児とは異なる教育的対応が必要であること,A注意欠陥/多動性障害(ADHD)児,高機能自閉症児,学習障害(LD)児等の判断基準について明らかにすること,B指導を担当する教員の専門性を高めること,C教育関係者や国民一般への理解啓発に努めること,D指導の場,指導形態,指導方法等に関する研究の実施などを求めている。
これらの提言を受け,文部科学省では,ADHD児,高機能自閉症児,学習障害児等への教育的対応の改善を目的に,平成13年度から「特別支援教育の在り方に関する調査研究」を実施することとなり,予算措置が行われ,今年の秋頃に新たに調査研究協力者会議が設置される。高機能自閉症,アスペルガー症候群,ADHD等の全国的な実態調査も今年度から着手される予定で,その準備が開始されている。
研究開発学校の枠組みによる自閉症児教育の改善に関する研究も今年度から始まっている。研究開発学校とは,現行の教育課程や学習指導要領に拘束されない教育研究を行う制度であり,特別支援教育に関係する研究開発学校は,今年度は全国で4校が新規に指定された。そのうちの1校は,東京都文京区立駒本小学校であり,「高機能自閉症等軽度の障害のある児童の特別な教育的ニーズに応じた教育課程の在り方に関する研究」を実施する研究開発学校として指定された。また,鳴門教育大学の付属養護学校でも自閉症児への教育的対応の改善に関する研究開発が始まっている。
文部科学省の所管する国立特殊教育総合研究所においても,高機能自閉症,アスペルガー症候群,ADHDの児童生徒への教育的対応の在り方に関する研究がすでに開始されている。この研究成果の一部は,国立特殊教育総合研究所平成12年度一般研究報告書「自閉性障害のある児童生徒の教育に関する研究
第4巻」に掲載されている。なお,本稿の筆者の勤務している国立特殊教育総合研究所分室は,自閉性を主たる症状とする児童等に対する教育の内容及び方法に関する研究を行うとともに,これらの者の教育に関し相談に応じ,必要な指導,助言を行うことを目的に,昭和51年に設置され(文部省設置法施行規則第39条の18),文部省の直轄機関として研究活動と教育相談事業を継続してきたが,行政改革の一環として実施された中央省庁の再編に伴い,今年4月から独立行政法人としての第一歩を踏み出している。
国立特殊教育総合研究所分室の研究,教育相談,報告書等に関する問い合わせ先
〒180-0012 東京都武蔵野市緑町2-1-10 FAX 0422-51-5036 TEL
0422-54-8993
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