3-4 就学・教育に関しての相談


3-4-1 相談について

3-4-2 行政の教育相談窓口
3-4-3 私的な教育相談機関

3-4-4 総合的な学習の時間に「障害のある人の理解教育」を
3-4-5 バーチャル教育座談会


  3-4-1 相談について

 障害があっても地域の学校に通いたい。兄弟や近所のお友達と一緒の学校に通いたいと思うのは当たり前のことです。特殊学級や養護学校が地域から遠いことが多く、普通学級に通う障害児の数は年々増加しています。介助者がつくことで、普通に学校生活が送れる障害児も多いのです。現在、一部の地域では肢体不自由児に介助者をつけて、通常学級に通う制度もあります。乙武君は、普通学級で育ちました。たくさんの人が「五体不満足」で感動したのですから、第2、第3の乙武君を育てる環境を作っていきたいと思います。

学校生活ではいじめや不登校など、障害の有無にかかわらず、たくさんの問題が起こります。なにかトラブルがおこったとき、まずは校長先生との話し合いが必要ですが、解決の糸口が見えないときは、教育相談をしてみることもひとつの方法です。公的な相談窓口と、私的に相談できる会を紹介します。私的な機関ではそれぞれの会に独自の方針があり自分や子どもの実際の状況に合う、合わないがあると思います。言われたことを鵜呑みにするのではなく、学校生活をより豊かにするために、現実的に対処するためにこういった相談の場を活用してください。

 誰もが当たり前に地域で生活していけるように、障害を理解するための教育の必要性を感じます。「街に慣れる。街が慣れる。」障害があってもなくてもお互いが支えあって生活していくことは当たり前のこと。普通の子どもたちにノーマライゼーションの気持ちを育てていくための活動も始めていきたいと思っています。  

 

3-4-2 行政の教育相談窓口

 

東京都の教育相談窓口

 

 都立教育研究所 総合教育相談窓口                          TEL 03-3493-8008

都立多摩教育研究所  教育相談室                        TEL 042-525-9170

学務部義務教育心身障害教育課                           TEL 03-5320-6753

東京都教育研究所相談部学校教育相談室                      TEL 03-5434-1981

東京都教育研究所相談部心身障害教育研究室                    TEL 03-5434-1938

 

各地域の教育相談窓口

 

杉並区済美教育研究所                              TEL 03-3317-1190

練馬区総合教育センター 教育相談室                     TEL 03-3904-6666

三鷹市教育センター                               TEL 0422-47-0110 

 武蔵野市教育相談所                               TEL 0422-60-1899

 小金井市 教育相談所                              TEL 0423-84-2097

 

3-4-3 私的な教育相談機関

 

がっこの会                                  TEL 03-5481-8559

※どの子も当たり前のこととして地域の学校に行こう。

子どもの相談室「風の谷」 要予約。(木金土 11:00〜17:00)

 

子供問題研究会                                            TEL 03-3824-3306

                  連絡日時 月〜金(14:00〜17:00)

※障害児も地域で共に生きることを願って。      

※合宿・ハイキング・クリスマス会などの活動もしています。

「教育を考える会」(第四土14:00〜17:00)

 

  障害児を普通学校へ・全国連絡会                         TEL 0426-77-9019

※会の名前が示すように、障害児も兄弟姉妹や近所の子供達と同じ学校で一緒に学び、遊

ぼうと呼びかけています。

 

杉並・中野保育教育を考える会                          TEL 03-3314-1610

                           連絡日時 夜間(22:00までなら)

  ※ノーマライゼーション(共生・共育)の教育の実現をめざしています

 

遠山真学塾                                  TEL 0422-54-4709

  ※ハンディを持った子供の学習権や教育権についてアドバイスをしています。
    算数の指導が有名。

 

学びの広場                                    TEL 0423-22-7160

※障害の有無にかかわらず、共に生き共に育ち学びあう場でありたい。就学時検診、
   進路、いじめ、不登校などについて相談。

月・火・水・金の午前中、フリースクールを開催しています。

                 ―参考資料― 子どもの権利ネットワーキング97

 

3-4-4 総合的な学習の時間に『障害のある人の理解教育』を
 

学校法人 武蔵野東学園 清水信一

町」や電車・バスの中で、障害のある人が突然大きな声を発したり、強いこだわりを示している場面に遭遇した時に、今の私であれば驚くこともなく、その人を理解することができます。しかし、子ども時分の私を振り返ってみると、一歩後ずさりし、奇異の視線を送っていたことを思い出します。私の幼児期から始まった教育の場に、いかに障害のある人を理解する環境設定がなされていなかったかを痛感させられます。確かに、現在の学校教育に場において障害のある人を理解する環境は、私の幼児期と比較すれば幾分増えている感はありますが、決して十分とは言えません。

また、武蔵野東学園の教員という仕事柄、障害のある子どもたちを引率して色々な所へ行く機会があります。海外に修学旅行に行った時に、ある子どもが問題行動を起こすことがありました。そこで、日本の人とアメリカ人の捉え方の違いを強く感じたことがありました。日本の人であれば、決して全ての人ではありませんが、私の子ども時分と同じで奇異の目で見ている人が多いように思います。それは、その場面だけの判断であり、理解が伴っていない為であると思います。逆にアメリカの人には、奇異の視線を送る人はほとんどいないように思いました。これは、ただ単に国民性の違いだけでしょうか。

「町」の中には、健康な人、障害のある人、背の高い人、小柄な人等など様々な個性を持つ人がいます。様々な個性を持つ人が、互いを理解することによって、安心して暮らせる「まち」につながっていくのではないでしょうか。

こんな疑問を抱いた時に、折しも学習指導要領の改訂がなされ、総合的な学習の時間が新設されることになりました。この好機に、学校教育の中で『障害のある人の理解教育』を根付かせることが最も重要であり、かつ理想の「まち」に近付けると考えたのです。

幼児期からの積み上げ教育により、ある程度の時間は必要となりますが、先に触れたその国民性には必ず変化が表れ、みんなが安心して暮らせる「まち」となることを信じています。

心のバリアフリー市民会議 理解教育分科会「障害がある人の理解教育のカリキュラム」

           http://www.eft.gr.jp/kaigi/rikai/index.htm


3-4-5 バーチャル教育座談会

 

 日頃、お付き合いのあるお母さん方との会話をもとに、それぞれの学校、或いは学級の特徴について分かりやすいように、座談会風に構成してみました。学校を選ぶときの参考にしていただければと思います。

 

司会 自己紹介をお願いします。

 

A「こんにちは、うちは小学校2年生で男の子です。自閉症で、普通クラスに通っています。」

B「私も男の子で、2年生です。重度の知的障害で、特殊学級に通っています。」

C「うちは、養護学校で、4年生の肢体不自由の男の子です。」

D「愛の手帳の2度で、小3の男の子です。私立学校の障害児のクラスです。」

 

司会 それぞれの学校の特徴を、良かったと思うところ困っているところの順で教えてください。

A「地域の学校の普通クラスだと、近所にたくさんお友達が出来ます。今は親が付き添いをしているので、他の子供たちとの間のやり取りが楽しいこともあるし、どういった学校生活をしているか、よくわかります。彼の存在自体を受け入れてもらうには、やっぱり一日中同じ環境で生活させたいと思いました。言葉でのやりとりは少ないですが、「今、A君笑ったよ。」とか、「トイレ一緒に行くから、おばちゃん来なくていいよ。」とか、よく面倒見てくれます。入学のとき、付き添うと言ってしまったので、一日中親と一緒で、かえって良くないような気もします。付き添わなくて通わせたいのですが、担任が来てほしいと言うし。同じ学校内に特殊学級があるので、そちらへ移らないかという誘いが激しくて抵抗しています。体育や音楽の時間、特殊学級に参加することもあるのですが、先生の指導にいまひとつ疑問があって、高学年になったら移るのかと思うと憂鬱です。」

B「うちは重度ですが、付き添いはしていません。そのかわり介助の先生がついています。

と言っても、クラス全体についているので、先生と生徒は1:3ぐらいかな。介助の先生は、毎日じゃないし、立場が弱いのが気になります。ちゃんと複数担任にしてほしい。

やっぱり、普通の子供たちと触れ合う機会も多いし、学校生活らしい気がします。授業は個別指導ですが、今は相性が悪い担任にあたって困っています。介助の先生がいい方で、いろいろフォローしてくれるのですが、担任と気が合わないことで、学校へ行きたがらなくなってしまいました。特殊学級の先生は、特に当たり外れが激しいような気がします。」

C「うちは、養護学校なので、送迎や付き添いがないし、先生の人数が多いので、極端にうまくいかなくて困ることはありません。1:1とは言わないですが、近い状態ですしね。担任の当たり外れはありますよ。まあ、それでも学習の指導なんかは、親の要望もわりと聞いてくれるほうだと思います。ただ学校がやたら遠くて、送迎はバスが近くまで来てくれるけど、普通の子供、特に家の近所の子供と会う機会が全然ないことと、帰りが早いのが困ります。幸い、空きがでた障害児の学童に入れたので、お迎えから預かってもらえる日もありますが。」

D「うちの場合、普通学校の特殊クラスに近い状況だと思います。いちばんすごいのは、同じ障害の子供が、学年ごとに30人もいることで、自閉症児は人間関係の障害があるのですが、それなりにクラスメ−トの関係ができます。普通の子供とは、行事や清掃などの活動を通して触れ合う機会が多いですね。いろいろな体験を重視していて、自転車やローラースケート、一輪車の指導なんかがあって、宿泊訓練も割と多いです。有名なのはマラソンとか体育の指導ですね。これは賛否両論ありますが。学習は一般の教科書の指導要綱で進んでいくし、先生と生徒が1:9になりますので、個別指導は少ないですね。学費が公立に比べると高いことと、やはり学校が遠いので、近所にお友達はできにくいです。先生の当たり外れは、普通学校や特殊学級よりは少ないと思いますが、多少はあります。今は、近所の学校の学童保育に通わせることで、やっと顔や名前も覚えてもらえるようになりましたが、親同士はほとんど面識がなくて、迷惑かけることもあるし、なにか良い方法はないかと思っています。」

 

司会 学校へ要望は?

 

A「まず、付き添いと送迎をなんとかしてほしい。」

D「うちも送迎ありますよ。軽度なら一人通学するけど、うちぐらい重度になるとなかなか一人では通えないし、送迎するって結構大変ですよね。」

B「担任の先生を変えてほしい。」

A「特殊学級の先生と言っても、全然障害児知らない人とかなると最悪。だから、今の先生が担任なら、絶対に特殊学級に移りたくない。」

D「特殊教育課程って、障害児の教育には最低限必要だと思いますけど。」

C「特殊教育課程卒業していると言っても、ほんとに専門?の人いますよ。」

B「専門とかそういう問題じゃなくて、他の子と比べて、出来るとかできないとかで、差別したりするから嫌なの。」

C「それは、最低だわ。いい先生だと、ひとりひとりの個性を大事にしてくれるから、あんまり他の子と比べて出来るとか、出来ないとか関係ないよね。」

D「行事とか発表があると、担任も気合入れてがんばっちゃったりするから、やっぱり出来たほうが、かっこいいってことありますよ。そういうの子供のほうは迷惑というか、プレッシャーで精神状態が悪くなったりして困ることありますよね。」

A「うちは、運動会があると最悪。」

B「運動会とか、行事があるときが大変。静かにしてられないと、即、退場って感じで。」

C「障害児ばかりだと、そんなの有り得ないけど。体育も授業も行事も、のんびりだらだらしてるし。そこがつまらない親もいるかもね。私は気楽だから、気に入ってるけど、養護学校は暗い(笑)とか、行きたくないとか言われちゃうのよね。」

D「どの学校行くかは、子供の個性によると思いますよ。友達が好きとか、人が多いと苦手とか、他の子がいるとがんばれるとか、のんびりのほうがいいとか。本人が行きたいところへ行ったほうが、統計上は失敗も少ないらしいです。他の学校の情報も知りたいと思いますよ。うちなんか、なに考えてるか説明できないから、登校拒否がいちばん怖い。」

B「登校拒否してますよ〜。私は学校の問題じゃなくて、先生個人の能力の問題のような気がするわ。同じ学校内でもいい先生とだめな先生がいるから。6年間あたり続けなんて聞いたこと無いですよ。どっかで、お休みタイム?が入るみたい。(笑)」

A「普通クラスでも、うちは付き添いだけど、他の学校では、まったく付き添いなしで、ちゃんと30人のクラスをまとめてくれる先生いるみたいだし。入るときに付き添いはできませんって言い切ればよかったのかもしれない。就学当時の面接であたった校長先生は感じよかったけど、入った年に転任しちゃって、話は全然引き継がれてないし。」

C「公立はすぐ校長先生が代わるから、養護学校なんて学校全体の方針が変わるのよ。」

D「うちだって、毎年、担任が代わるから、学年上がるときは、どきどきですよ。」

B「担任が代わらなくて、悲惨だった。」

A「代わらないでいてほしいと代わって、代わってほしいと代わらないのが、担任というものなのよ。(爆笑)」

D「日本も、塾や大学では、自分の先生を選べるのだから、人気投票じゃないけど、選ばせてもらいたいですね。アメリカでは、結構、選べるそうですよ。個性や相性があるから、心配するほど一人に集中しないって言ってました。」

B「学校が選べて、担任が選べるなんて、夢のまた夢というか。あまり、参考にならない話かしらね。これからの時代はそうなってくれるといいけど。」

司会 学校(学級)への要望をまとめていただけますか?

 

A「付き添い、送迎、なんとかしてください。」

B「担任の質をあげてください。特殊教育って言うんだから、専門性を持った指導を。」

C「住んでる地域の子供との交流を、増やしてください。地域に養護学校を作ってほしい。」

D「子供に合わせた個別指導をお願いします。」

以上、学校についてのバーチャル座談会でした。

      Aさん、Bさん、Cさん、Dさんについては、複数の方からの意見を集約したもので、特定の個人が、
   モデルで存在するわけではありません。




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