3-5 学童保育


3-5-1 学童保育について

3-5-2 三鷹市の障害児学童
3-5-3 学童保育所概要表
3-5-4 アンケートより「学童保育について」


3-5-1 学童保育について

 

 障害を持つ子どもの学童保育への入所希望が増えています。その背景には働く女性が増えていること、障害のある子どもの保育所での受け入れが進み、ノーマライゼーションの環境、健常児と一緒の保育の中で子どもの成長する姿が実感されるようになったこともあります。しかし、障害児の学童は受け入れ定員が少ない、入所条件や保育体制の不備などまだまだ充分な現状ではありません。地域で当たり前に生活していくために、障害のある子ども達にも、さまざまな機会と場所を与えて欲しいと思います。

 

3-5-2 三鷹市の障害児学童

     第7小学校学童保育職員 鈴木佐苗 

 学童保育所とは、保護者が就労している家庭の子ども達を中心に放課後を過ごしているところです。そして、子供達の放課後とは、学校生活から解放された自由な時間の中で遊び(ボール遊び・泥んこ遊び・ままごと・お絵描き・一輪車など)が繰り広げられ、その課程で仲間意識が育まれたり、集団で遊ぶ楽しさを味わうことができています。反面、親の願いから放課後に決まった場所、決まった仲間と過ごす窮屈さも抱えていますが、親の就労と子どもの健やかな成長を実現させる場所になっています。三鷹の学童保育所では、試行的な保育も重ね、平成2年より就労している家庭の障害を持った子ども達の放課後を考えるようになり、現在に至っています。地域の中で子ども達が当たり前に放課後を過ごすこと、ハンディのある友達がいることを知る。共に生活する中で、たくさんの体験をして、自然体で過ごすことができるようにと願っています。

 自然体で過ごすということは・・・・「どうしてできないの?」「どうしてしゃべれないの?」「治るの?」など、子供たちなりの疑問からスタートしますが、「これはわかるんだ」「これはいやなんだね」など、少しずつ理解できるようになってきます。接する方法がわからずにいたのが、ちょっとしたきっかけでかかわりが持てるようになり、その後は仲間として当たり前に受け入れられるようになったりします。子ども達の成長過程の中で、お互いの存在を知り、認め合うことが少しずつ出来るようになってきます。

 現在、南浦小・六小・大沢台小の学童保育所を「障害児保育指定学童保育所」として、各所2名を受け入れています。市内の学童保育所を東部・中部・西部に分け、各地域に1ヶ所を目安に、ここでも2名ずつ受け入れ(平成13年度 三小・七小・井口小)全体で12名の在籍枠で進めています。職員体制は各学童保育所に正規職員が1名、加配されていますが、学童保育所は子供たちが常に自由に遊び動き回っているため、職員が必ず障害のある子どもに付き添っているという保育ではなく、全体を通しての体制となっています。

また、入所はある程度の集団生活が出来ることを基準に体験入所などを経て、三鷹市より承認が出されています。

3-5-3  学童保育所概要表

 

 

武蔵野市

三鷹市

施設数

公立12(小学校数12)

公立16(小学校数15)

定員

40名:8施設、 60名:3施設、 

70名:1施設

1箇所40〜80名

対象

小学校1〜3年生

 

小学校1年生〜3年生(障害のある場合4年生)

職員

20名に1名(60名、70名定員、では4名のところが1箇所ずつあり)

児童20名に職員1名、障害児2名に職員1名

障害

保育

6人入所(すべて普通学級)

身体障害者手帳3級:1名、1級:1名、

愛の手帳3度:1名、4度:2名、

自閉症児:1名

平成13年度の受け入れ状況6箇所

11名入所

(障害児学級7名、養護学校4名)

職員体制

 現在は障害児が入会している施設にアルバイトを加配

(状況に応じて人数調整)

障害児(中程度)1〜2名につき正規職員1名配置

学年延長

なし

必要と判断された場合には4年生まで延長可

 

  

 

 

入所

判断

審査会議(現場職員、児童課職員、民生委員など)で判断。入会基準は育成要項を基本としている。障害の程度が軽度か中度。集団生活に適応、社会生活の向上や心身の発達が期待できる・・・・・等

1.保護者による入所申し込みにより入所会議が開催される。

2.保護者から出された「理解のための資料」により本人状況を把握する。

. 学校に赴き実際に本人の状況を把握する。

. 学童保育所に本人が体験入所(保護者も同伴する)し状況を把握する。

. 入所判定会議(現場職員・市・社会福祉協議会(委託先)・保護者との話し合いも含む)で可否が判断される。

6.入所することができる障害児は、健常児とともに育成が可能で、通所可能な児童。

 

研修

年6回開催:市独自研修3回。東京都公立児童厚生施設連絡協議会の研修2回。

その他1回

研修:年1〜2回  年2回の巡回指導有り

問合せ先

 

三鷹市子育て支援室育成係  0422−45−1151内線2675

 

 

小金井市

練馬区

杉並区

施設数

公立9+(分室1)

公立87(公立小学校69校)

公立46(うち40は児童館などに併設、6は独立)

定員

60名(+1割増員可)

40名、35名、30名

1クラブ50名を基本

対象

小学校1年生〜3年生

小学校1年生〜3年生(障害児については6年生まで)

小学校1〜4年生

 

職員

正職員20名、嘱託職員13名、必要に応じて臨時職員若干名を適切に配置

常勤職員2名、その他に臨時職員を状況に応じて配置している

1クラブ常勤職員2名、単独学童クラブでは非常勤加配

 

障害児

保育

4カ所が基本だが、現状は例外的に6カ所で受け入れすべて普通学級

各施設2名まで受入れ可。
平成13年現在73施設で

111名が入会している(普通学級、障害児学級、養護学級など)               

平成13年度の受け入れ状況33ヶ所 59名入所

 

職員体制

障害児2名につき1名配置

障害児を受け入れている施設には、障害の程度に応じて臨時職員を加配している

障害児を1名:障害の程度により非常勤講師を加配、障害児を2名:障害の程度により非常勤講師を2名加配

学年延長

なし

平成12年度まで障害児は5年生まで。平成13年度から障害児は6年生まで延長可

必要と判断された場合は、

6年生まで延長可

 

 

入所の

判断

障害児審査会(課長、係長、現場職員を含む13名で構成)で可否が判断される

障害児入会判定会議(課長、係長、学童クラブ所長等で構成)で受入れの可否を判定する

障害児審査会(現場の職員も参加)で可否が判断される。入会することができる障害児には、健常児とともに育成が可能で、クラブへ通所ができる児童

 

研修

年1回(自由参加)そのほか企業などの研修を代表者が年1回選択して受講

研修年1回〜2回
巡回指導年1回

一施設、年1〜23回の巡回指導あり

問合せ先

小金井市役所 

042−383−1111

練馬区役所 

03−3933−1111
子育て支援課子ども育成係

児童青少年センター

03−3393−4760

3-5-4 アンケートより 「学童保育について

 

・ 障害児を抱えていること自体、大変な仕事と思うので、考慮して欲しい。

      健常児・障害児が共に生活することに意味があると思うので、全学童に障害児枠を設定して、就労しなくても入所できるシステムにしてほしい。

      障害の程度で入所を決定すると聞いているが、度数や障害の種類を問わないで、放課後活動の必要な子どもは、遊びに行けるようにしてほしい。

      毎日は体力がなくて通えないのですが、養護学校に通っているので、地域のお友達がほしいです。外遊びはきついので、校庭開放のように学童の教室に参加させて欲しいです。

           

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