Enough For Today?
                 心のバリアフリー市民会議

心のバリアフリー市民会議 正式発足!

5月14日(日)、障害を持つ人、障害者の関係者のほか一般市民の方々ら、総勢100人近い人々が集まり、心のバリアフリー市民会議の発足会議が開かれました。
会議では、発起人紹介、会の趣旨・運営の基本方針説明のあと、発起人の思いが語られ、その後に参加者による自由討議、更に今後の活動についてと世話人への参加呼びかけがあり、最後に障害者にとっても一般市民にとっても暮らしやすい町づくりを進めることを確認しました。

その中の自由討議では、障害を持つ人、障害者の家族そして一般市民の人たちが、日頃感じている悩みや疑問、意見を活発に出し合いました。

市民会議の詳細については、下の議事録をご覧下さい。自由討議を中心に書かれています。

当日は、限られた時間での会議でしたので、発言できない参加者の方もいました。
その方々に書いていただいた感想(当日のアンケート)を紹介(ここをクリック)します。
         第1回 心のバリアフリー市民会議  議事録

                      日 時 2000年5月14日(日)   10時10分から12時10分
                      場 所 武蔵野市民社会福祉協議会  5階大会議室
                      出席者 97名(発起人含む)
                      司会者 山本氏
1. 発起人自己紹介

出席している発起人からの簡単な自己紹介
欠席している発起人に関しては、司会者より簡単な肩書きの紹介

2. 趣旨説明と運営の基本方針
江上氏欠席のため田部井氏より説明
本会設立の経緯と運営に関する基本的な考え方の確認

3.発起人思いを語る −パネルディスカッションに代えて。

・ 石山氏
精神障害者に対する正しい知識・理解を精神病院にも通いやすいイメージを(最近の事件報道に対し)配慮から社会的偏見も減るのでは         自著「幽閉」の紹介

・ 岸本氏
ハード面のバリアが解消されても心のバリアは残る,人は外見で判断されてしまう 
言葉や態度による心の傷
障害者同士の横のつながりが今後必要 
障害を一つの個性としてありのままに見て欲しい
お互いが理解しようとすることがバリアを解消する
障害者が住みやすい町はみんなが住みやすい町

・ 田中氏
18歳の自閉症の男の子を持つ
障害のない方に知っていただきたいのは心の許容量を
現在よりちょっと広げて頂くだけで障害児の親として嬉しく思う

4. 参加者自由討議

  ※以下発言者は匿名で表記した

・ Aさん(女性)
駅のエスカレーターにのるときは、右側を開けなければいけないのか。
以前吉祥寺の駅で右側にのっていると、後ろから来た人に暴言を吐かれた。
身体障害者の方、老人の方が幅広く活動できるようにして欲しい。
   (司会者→)一旦預からせていただく。

・ Bさん(男性)
自閉症の子供を持つ親
この会がターゲットとしているところと範囲を明らかにして欲しい。

(田部井→)武蔵野市が中心ではあるが、行政区画にとらわれずこの近隣と
      考えている。

(岡部→)生活圏としての武蔵野が範囲。共に連携していくという意味では各地の同じような会と連携していくことも
      必要である。正会員は近隣の方、遠方の方はサポーターとして参加していただける。会が発足してから運
      営委員会で煮詰めていく。

・ Cさん(男性)
障害を持っているお父さん、お母さんに、「家の子はこういう病気を持っているんですよ」「よろしくお願いします。」「怒ってやって下さいよ。」ということを地域の方に伝えて欲しい。お母さん、お父さんがの方が引っ込んでいる為、注意できない。

・ Dさん(女性)
3年前に脳梗塞、自分の中にある差別を解消したくて現在の状態に回復。
黄色いハンカチのことも誰も知らない。バリアフリーを公共広告機構などのテレビ広告でも取り上げるべき差別(男女・外国人なども含む)をなくすためには、教育問題が根本にある。
親がどんどん外へ出て行くことを奨励するまちづくりを。
自分の子どもの障害を話すべき。自分で言うことは難しい。言わなければ分からないこともある。差別をなくすという意識を持たせる方向をいかにして持っていくかということが今後の課題。

・ Eさん(女性)
痴呆の母を持つ。先程の発言で「自閉症の子どもを持った親はまわりにそう言ったことを言って下さい」と言う意見があったが、家族は傷ついてそう言ったことを言える状態ではないかもしれない。「痴呆になるくらいなら死んだ方がましよね」と言う発言に大変ショックを受ける。2〜3年まわりに言うことはできなかった。武蔵野だけでやるの
でなく、それぞれの地域に持ち帰って会合を作っていくことが必要。

・ Fさん(男性)
自分の息子が自閉症。(本会は)自由に参加と言っても、自閉の子どもは自分の意見を言うことはできない。また、親も、本人が何を考えているのか分からないため、親から聞くしかない。また、自分の息子が訴えたいのか、反映されない。先程自分の子どもの障害をまわりに言った方がよいという意見があったが、その家族にとって幸せかどうか。これは慎重に検討して欲しい。

・ Gさん(男性)
三鷹市民。自閉の子を持つ。内容が多岐に渡るため分科会を設けた方が内容が充実するのではないか。
地域が「何でも言ってくれ」と行ってくれるのは受け皿として私はありがたいと思っている。

   (岡部→)今後の事業については世話人になっていただき運営委員会で
        話し合いを持っていきたい。

・ Hさん(男性)
小金井地区の肝臓病の会に武蔵野からも約90人参加している。自分の地元の会に入りたくない。自らの心の中のバリアフリーを取り除くことが難しい。病気には個人差があるし、どう受け止めるかも個人差がある。一般論がない。
傷つける人が傷つけようと思って言ったのではなくてもこちらが傷つくことはいくらでもある。それがなくなることが本当の意味でのバリアフリー。市の職員と市民のバリアはないか、会社でも現役と退職者の心のバリアはないのか、
などバリアは権力のある人の方に出てくる。心のバリアという言葉にひかれ出席した。

・ Iさん(男性)
調布市在住 昨年4月まで2年間神戸にいた。
被災地障害者センター(大震災をきっかけに、障害者の人と健常者の人が共に生活せざるを得なくなった時に色々な問題が顕在化した問題を支援していくために発足)の主催するヒューマンセミナーでは障害当事者の方が講師となって日頃感じている事や生活上の問題点を発表。障害別に10回程度行った。参加してもらうまでは大変であったが参加した方の感想は概ね感銘を受け、バリアがなくなった。今後この会でも障害当事者が講師となる会を設けたらどうか。

・ Jさん(男性)
糖尿病により15年前に視覚障害者となった。
健常者が大いばりをしてそっくり返っていることが頭に来る。色々と障害者、お年寄りの問題がたくさんあるが、知らないと言うことが一番の問題。知らないからどうしていいか分からない。自らは話すことが少ない。もっとどんどんPRすべき。大人に言ってもしようがない。子どもに話していくことが大切。
小学校まわりをしている。「目の見えない人には、黙って手を出さないで声を掛けて手を出しなさい」大人の人は分からないとは思わない。知らないだけ。

・ Kさん(女性)>Fさんの奥様
   「家の子はこういう病気を持っているんですよ」ということを地域の方に伝えて欲
    しい。」と言う申し出に感謝。たくさんの方が障害を持つ家族のことを分かってく
    くれるかたが一人でも増えたらと思っている。

・ Lさん(女性)
精神障害者当事者 就労支援センターに通っている。
精神障害者の就労は、非常に難しい。また、障害者の法定雇用率に精神障害者は含まれていない。いい薬があり、体力も付けており働く力も付けてきている。企業と障害者のバリアは大きい。横の連携が大切であることをこの会で学んだ。
いい就職先があれば教えて欲しい。

(岡部→)イナッフ フォア トゥデイ?で精神障害者の訓練事業として社会適用訓練事業を行っている。
      みなさんのなかで、Lさんの就職先等情報あればこちらに寄せて欲しい。

・ Mさん(男性)
化学物質過敏症(たばこがだめ)
この様な病気を持っている方も中に含めてやらせていただきたい。自分から言うようになれてきた。言って良かったこともあった。就労に関し、自立通勤ができること条件にしているを会社も多い。形のバリアフリーも切り離せない。

(田部井→)送迎サービス等の形のバリアフリーに関しても今後話し合っていきたい。

(田中→)(先程のJさんの意見に付随して)児童相談所で障害児と言われた時に「健常児」という言葉を聞いてその言葉に打ちのめされた。障害者の保護者は、「健常児」と言う言葉に敏感であることを知って欲しい。

(Jさん→)健常者という言葉は優等差別語である。メディアの方は検討して欲しい。

・ Nさん(男性)(新聞記者)
言葉には気を付けて使用しているが、考えなければいけないと思わされた。

・ Bさん(男性)
知的障害者に対する暴力に対し解決しなければいけないのは当事者の親。この会が市民オンブズマン的な役割を果たす会になって欲しい。

・ Oさん(男性)(精神科医)
代弁者が多すぎた感がある。早期発見早期治療が重要。「この病気になってもみんな元気にやっているんだ。」それが目の前で実感できたときに早期発見早期治療につながる。

5. 今後の活動について

岡部氏より説明 
心のバリアフリー市民会議 会則 第3条 事業 より説明

6. 閉会の挨拶と世話人への参加のおさそい

今木氏より
お互いの理解に繋がったにではないか。
色々な提案が出たが、会員登録をしていただきこの会をみんなで作っていきたい。
正会員・賛助会員・サポーター申し込み方法の確認

以 上


市民会議後に、世話人(正会員)による第一回運営委員会が開かれました。
そちらの議事録は、心のバリアフリー市民会議ページの運営委員会議事録
参照(5月14日の日付です)して下さい。

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